OM

オランピアのシャンソンは、1年ほど継続的に練習して来ましたが、1年前に比べて、中低音も良く出るようになりました。
また高音との繋がりも綺麗です。
高音の声も、特に2点b前後で喉っぽく、苦しくなりがちだったのが、抜けるようになり明るくピッチが良くなってきました。ただ、ブレスが足りないと以前の声が残りますので、もう少し、という感じです。
更に高音になり、3点C以上は今の所は良いと思います。
むしろ、2点bの声がもっとも大切でしょう。

本人が、声の実感が以前よりもない、ということですが、当然でしょう。
無駄な力みが取れて、響きが飛ぶようになったからだと思います。

喉で力んで締めて出していれば、それは出した実感がするかもしれませんが、そうして出た声はマイクであれば
大きな声として拡声されますが、生の声では、近鳴りするだけで、飛ばない声になってしまうでしょう。

声楽の良い声とは、共鳴効果で遠くまで良く響くことが大きな特徴です。
また発声の諸器官を合理的に使いますので、喉の負担も軽くなるということです。

中低音のスカスカを気にしていましたが、声楽の場合はしっかり鳴らす意識だけですと、いわゆる地声にならざるを得ません。地声になってしまうと、高音のチェンジが難しくなりますし、当然高音との声のつながりが悪くなりますし、
高音そのものも出にくくなるでしょう。

そのバランスを大切にして、中低音の声量の開発をしてください。
そうしないと、クラシックの声楽の声にならないですから。

今後はブレスも少し意識して入れて下さい。
特に横隔膜を全体に拡げるように息を入れると、より息が入ると思います。

FT,AY

一応、二重唱「奥方様ご用の時は」の振り付けは決まりました。
前回決めた振りで、一部変更などしました。
ポイントは、スザンナが語るところは椅子に腰かけること、そして引っ込みは足にステップを付けて
二人でリズミカルに引っ込む形にしました。
後は、思い切りリハーサルでやってください。
フィガロは、細かい手直しをしましたが、ほぼ直ぐに実行出来ていました。
フィガロさんは、全体に軽い動きで良いと思います。
スザンナさんは、座って綺麗なフォームを見せるようにして下さい。
彼女は冷静で常に余裕があるのです。

WH,SM

一応伯爵夫人のアリアから手紙の二重唱、そしてスザンナのアリアまで通しました。
アリアは、伯爵の場合は、テンポがアレグロになったら、方向を変えて、情熱的に歌って下さい。
前半の諦めみたいな雰囲気とがらっと換えて下さい。
スザンナは、途中から出演者が総勢で出てきてストップモーションになりますので、その合間を縫うように動いて下さい。
そして、最後の高音から後は止まって歌って下さい。

二重唱は、手紙の本分を考えて言う伯爵夫人は、スザンナを見たり、見ないで遠くを見たり、という違いを明快に出して下さい。
適度に動いて、スザンナの傍、あるいは後ろに行っても良いでしょう。
後は、スザンナさんと夫人二人で横に並んでリズミカルに動いて歌うタイミングを何となくやらないで、はっきりと意識してください。

WH

ベッリーニのAh non credea mirarti、良い仕上がりを見せてくれました。
喉をなるべく力ませないで、前に響きを当てるように自然に歌えているようです。

その分、やや喉のポイントの高い声ですが、ソプラノらしい硬質で明るい声だと思います。
2点Gの声や、最高音の2点Aも綺麗に出せました。
また、全体にとてもLegatoに歌えていました。

それは伴奏のテンポもあるでしょう。彼女の実感からは、少し遅めだと思います。
ただ、遅めであるが故に、丁寧に歌えるのではないでしょうか?

強いて言えば、間奏の後の歌の表現が変わるところPotria novel vigoreからil mio pianto non puoまでは、
歌詞の意味を良く考えて、内容を良く表現しようとイメージして下さい。
それだけで、声が変わるはずでしょう。

今日は、発声の声に集中していたと思います。
発声のことは、現時点の声で良いと思います。
後は、歌詞の内容を自然に歌えるように、これから努めてください。
意味を心で感じて歌う、という原点です。

コーダのカデンツァは、以前より2点Asの声は決まるようになりましたが、まだ♭になる時もありますので、気を付けて下さい。

KY

初伴奏合わせでしたが、彼女も大分楽に力まない歌い方が定着してきたように感じられました。
特に良かったのがプーランクの「ヴィオロン」でした。
声の強さ、歌の鋭さが出せていました。
Fleurは、メッザヴォーチェを意識すると上手く行かないようです。
声を抑制することよりも、雰囲気を大切にしたLegatoな滑らかな歌い方をイメージして下さい。
「アンドレのご婦人」は、曲の持っている豊かな雰囲気を良く出せていました。
声とピアノのバランスがとても良かったのです。

Lascia ch’io piangaは、心配だったこの曲の高音の処理が上手くなっていました。
更に響きが伸びれば素晴らしいです。
出だしのLasciaの声は、やや抑え気味ですね。もっと思い切り出ても良いです。

ピアノの音色が素晴らしく、KYさんの声と相まって、改めてプーランクの歌曲の良さを感じることが出来ました。
本番会場は大きいですので、気押されないで、しっかり歌って下さい。