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発声練習から声が変わったと思った。
高音のチェンジ辺りで声が前に出るようになったが、少し苦しい感じが出ていた。
更に上がって行くと、ちょうど良い加減になる。

喉を使うことを意識したらしい。

改めて「喉を使ってみる」と云った意味は、いわゆる喉声、喉を突っ張って大声で出すイメージでは勿論ない。
歌う際に息を吐く場合、その吐く息の方向を意識すること。
その場所を喉そのもの、あるいは喉より下を明快に意識する、と云う意味。

イメージで伝えると、弦楽器の弦を弓でボーイングする感覚。
経験がないと分かり難いかもしれないが、動画などでも見られるので見てみると良い。

弦にしっかり弓を当てないと、弦はきれいに振動しないということも見れば判ると思う。
喉を使うイメージは、このようなイメージである。

コンコーネ15番の1番を練習。今日の課題は、特に前半のゆっくりの楽節のメロディの歌い方。
滑らかに高音2点Gに昇ることである。正にヴァイオリンの弦を弓でボーイングするイメージ。

全体に音程が良くきれいに歌えていて、一見気にならないのだが、良く聞くと音符を打つように歌っている。
この音符を打つのではなく、音符と音符の間を滑らかに行き来するようなイメージを持ってほしい。
特に高音のチェンジする際に、一気に打つのではなく、前の音を歌いながら、チェンジを準備して自然に2点Gに入るように。

後半のAllegroの楽節は、逆に打つような歌い方がリズミカルに通じて良いと思った。

響きは母音をIにして練習することと、高音チェンジ以降で口を開かない発声を指摘した。
喉を意識して使うと云う意味は、ここで理解し易いと考えた。

モーツアルトのコジ・ファントゥッテの二重唱。「妹よ見てごらん」を練習した。
イタリア語の読みと譜面との割り振りを確実に。後は、ブレスポイントを確実に。
長く伸ばす所はPで初めてクレッシェンドするようにすることで、息を吐き切ること。
このことが、音符を長く伸ばしながら美しく声を聴かせる大事な要素。

最後にパミーナのアリア。
高音がしっかりして来た。また、明らかに後ろに引っ込む声が、素直に前に出て来るようになってきた。
この曲も音符を打つ傾向があるので、滑らかに。
特に上向形でその傾向が出て来ることがあるのは、何か理由があるのではないだろうか。
未確定だが、ブレスの仕方と歌うお腹の使い方が関係あるような気がする。