TNA

今日やったことは、発声練習の声のポジションが高いので、お腹のみぞおち辺りから声の出始めを意識すること。
あるいは、横隔膜の上に声が乗っているように歌う、という意識の持ち方を指示。

ベッリーニのMa rendi pur contento
これは彼女固有の丁寧な歌い方、あるいは音楽の読み込みが良い方に働いて、とても良かった。
思ったことが歌声に素直に出るようである。

メンデルスゾーンの「歌の翼に」は、ドイツ語の発音が中心となった。
語尾のen er esなどのEは、アクセント外であるため、結果的にあいまいな発音になること。
Eだからといって、無意識に日本語のエを当てはめると、恰もそこにアクセントがあるように聞こえてしまう。

発音は、アクセントなどの場所が重要になるので、良く調べて正しいアクセント位置を把握すること。
その上で文節をすらすらと読めることを練習しておくこと。

最後にTurandotのアリア
これは先ずは最高音域の発声が課題。
2点Fのチェンジポイントで喉を上げないように口先を開けないで喉下のポイントで響かせることを確立。
その上で、更に上に昇る場合に、口先を開けようとしないで喉下のポイントに当てる具合で音程が出るように、丁寧に当てること。

しかし、この曲の高音発声は、難しいレベルと思う。
一般的に言えば、このアリアは重い声に向いているので、現状でレパートリーにするには、少々厳しい。
何より歌はモチヴェーションが大事だから、やるだけやってみようと思う。

ST

モーツアルトのLaudate dominumのK321を練習した。
ほぼ譜読みの初期状態なので、母音で練習をした。
メリスマの部分の音程を取るので苦労した。

譜読みは、とっかかりとして録音を聴いても良いが、一度譜面を見る練習を始めたら、なるべく聞かない方が良いと思う。
聞くと、理屈を覚えようとする脳の働きが鈍化して、気持ち良い感情が先立つと思うから。
大人になってからの外国語の習得と同じで、耳だけで覚えようとしても無理がある。

あるいは、耳だけで覚えるなら耳だけで覚える方法(ある種の英語習得法にもあるように)に特化すべきだろう。
しかし、仮に耳で覚えられたとして、ピアニストとアンサンブルする際に、上手く出来るかどうか?という問題と、
感覚ではなく、理屈で譜面が判るメリットは別に存在するし、そのことが、独学練習でとても重要な意味を持つと思う

リズムの構造、メロディの構造を、耳で覚えるだけではなく、例えば度数を変えて繰り返すメロディのパターンが多くあったりする、ということを、譜面で見てパターンをつかむことが大事。
古典的な作品は、それほど多くのパターンはなく、音程を変えて繰り返すというパターンが多いからだ。

それから、基本的なことだが譜面上にリズムの区切りを分かるように線を引いておくことも良い。

Ridente la calma
声が伸び伸びせず、声量が伸びないことと、チェンジ近辺の音程感がもう一つ。
ブレスの方法を教えた。

しっかり腹筋を意識することで、呼吸時の喉の声楽発声への準備状態を作り出し易い。
自然に「喉が下がった」状態のためには、吸気の際に、重い物を持つ踏ん張りの筋肉を使えるようにすることも必要。
お腹をバスローブなどでしっかり締めつけておいてブレスをすると、必要な筋肉の緊張感が実感し易い。
この状態で発声すると、明らかに気道の開いた声になるから不思議だ。

歌詞発音で息を吐く意識があるためには、今は良く口を開けることで自然に息を吐くように導かれると思う。
また、同時に胸を開くような姿勢を取ることも、息を上手く吐ける高音発声につながる。

MM

モーツアルトのスザンナのアリアから始めた。
前回指摘したように、まず重心を低くして良く響かせるというラインは確立できた。
レシタティーヴォは良く歌えている。
アリアは、前半の語り進む部分が、滑らかさに欠けている。
声を出す意識よりも、滑らかに歌う意識を強めることで、この役柄の演技面が自然に出て来る。
特にフレーズ内の跳躍で高音側を飛び出さないように歌うことが大切。

後半は、高音発声だが、2点Aに上がる際に口を開けないで喉の下のポイントに移動するように対処。
音程が決まるようになったら、声量をコントロールすると良い。
最後の2点Fのロングトーンも、喉が上がりやすい音程なので、喉の下のポイントを狙うことと、
クレッシェンドすると、息を吐き易いのでブレスが伸びるだろう。

「運命の力」Paceは、今回はかなり上達した力強い歌声だった。
課題ポイントがかなりクリアされるようになってきて、現状はPの声で出すPaceの2点hの声量と
最後の2点bのロングトーンの声質を課題にした。

メッザヴォーチェで出す2点hの発声は、ブレスの結果、斜腹筋で支える力を最大限使うことで、
声のアタック時に呼気が一気に出ようとするのを抑える必要があることと、声を当てるポイントを決めることで、声帯の閉鎖を最大限上手く使うこと、となる。

要するに口を開け過ぎないことと、ブレスをしっかりすること。
そして高音への移行時に焦らずに上ること。
ここのタイミングは歌手なりで問題ないので。

最後の高音は、Maledizioneのoで長く伸ばす際、最初に声を出し過ぎないで最後に息を持たせるようにすることは、言うまでもない。
最高音2点bは、オクターブ下の音程をイメージして、音程をはめようとし過ぎないことが、喉を上げてしまう発声を回避する良い方法である。