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山田耕筰「野ばら」
繊細なピアノの音色に相応した繊細な声の響きが印象的でした。
伴奏のリズム感と合わない部分があり、伴奏合わせの練習が必要な箇所が2か所くらいありました。
最後のクレッシェンドは、十分にやるべきですし、Ritも十分かけてください。

サン・サーンスのSoir romantiqueは、今までのレッスンでも指摘しましたが、低音域が多い曲で、なかなか骨が折れます。

それ以上に、言葉の多い語り調の曲である点も、難しさを増長する原因です。
まともにとっかかると、理屈っぽい難しい曲にしか聞こえません。
良くわかると、実にチャーミングな曲で、とてもフランス風なエスプリに満ちた佳作だと思います。

その点で、出来るだけのことをしてもらいました。
いくつかの節(フレーズの組み合わせ)が並列に何度も繰り返されるスタイルです。
この節の終わりに、長い音符が出てきますが、ここで言葉を強調しているわけですので、
この強調を声で良く表してください。
口を開けないで高く響かせると、子供っぽい声になりますので、喉を開けるように下あごを下ろした発声にしたほうが良いです。

特に最後のページは、表現が感情的になっていますので、歌詞を歌うスタイルもなるべく直截に語るように表現したほうが印象が良いと思います。

Aimon nousは、全体に威厳に満ちた内容なので、声も喉を良く開けた大人の声を目指してください。
また、神、死、愛といった高尚な抽象的な言葉や、Plus fortというような形容詞を威厳に満ちた風情で語っていますので、その通りに、言葉を扱ってください。
すなわち、子音をはっきり前に出して言うことです。

威厳に満ちた堂々とした歌唱を見せてください。