2017年5月27日声楽レッスンノート

WN

今回のレッスンのトピックは、唇の使い方と高音換声点に向かう発声の2点でした。

基本的に中低音で、喉を下げようとした力を入れるため、当たらないこもった響きになりやすいです。
唇をそらすように、めくり出すようにすることで、声帯が当たる感じの響きになります。
つまり、息もれ感のない響きになります。

低音発声で、この点を注意しておくことが、良い中高音の発声につながります。

高音の換声点に近くなってきたら、口奥を開けるように、下あごを降ろしていくことで、喉の脱力を促します。
このことで、か細いファルセット的な高音ではない、実声の要素がある、存在感のある高音発声につながるでしょう。

この2点を基に、ベッリーニのVanne o rosaと、Vaga luna che inargentiそして、ドナウディのO del mio amato benとVaghissima sembianzaを練習しました。
低音発声は全般に教えたとおりに出来ていましたし、気を付ければ高音の発声もかなり喉の開いた解放感のある発声になっています。

HT

デュパルクの歌曲から、「哀しい唄」「エレジー」「前世」の3曲を練習しました。

課題は3点。
ブレスのタイミングが、リズム感につながるほどに譜読みが進んでいるため、特に「哀しい唄」と「前世」は、間違ったリズムの箇所がありました。
8分音符系の9/8とか、12/8などの表紙の場合、付点四分音符の読み込みを間違えると、ブレスポイントが変わって、伴奏と合わなくなりますので、リズム把握はとても重要です。
声楽家は、ブレスでリズムがほぼ決まってしまいますが、伴奏者は、声楽家以上に拍子把握に厳密ですので、注意が必要な点です。

フランス語の発音ですが、1シラブルのLe、Me,Queなどの単語の語尾のEのあいまい母音が、ほとんどE(エ)になる点に注意してください。
これだけで、声の響きがかなり変わりますし、フランス語らしさが消えてしまうからです。

あとは、高音発声で喉を上げないように。特に「前世」は曲の表現がありますので、高音発声で喉の浮いた高い響にならないよう、バリトンの表現に気を使ってください。
その他、「哀しい唄」は、”Dans le calme aimant de tes bras”の箇所、転調しますので、冒頭の声の入りの音程には充分注意してください。