SMM

発声練習の声は、声量を出し過ぎる点がポイントになりました。
これが、発声への悪い影響の原因になります。

まず中低音発声が、ほとんど地声になってしまう点です。
声楽発声の未開発な点もありますが、それ以上に声量の出し過ぎが大きいです。
このことは、先々にも大きな影響があるので、声量の出し過ぎが様々なもんだいがあることを認識しておいてください。

彼女の発声で未開発な点は、なんといっても鼻腔共鳴です。
私が良く教える、ハミングで響いている場所で母音を響かせる感覚のことです。

これは実際の母音発声では、軟口蓋から口蓋垂にかけてと感じる場所で発声出来る感覚のことです。

このことに慣れていない人は、むしろ喉を絞めていると思う人もいるようです。

結果的に、この声量の抑制が好結果につながりました。
換声点の前5点Cくらいから、まだ喉が力みますが、声量を抑えると適度な声質になって好ましいです。
力みというのは、地声っぽさのことです。

このような練習でほぼ5線の中の音域はきれいに歌えるレベルになっています。
ただ、換声点の5点Fから上に行くときに、裏返る傾向が強く出るのは、それより下の音域の声に地声傾向がまだ残っている証拠でしょう。

いずれにしても声が裏返ると音程が上ずるので、とりあえずこの換声点近辺に到達するときに、喉の下を拡げるように意識して口を開けると喉が上がらなくなり、
結果的に上ずらない声になります。

このような発声による声は、普段の唄にはそぐわないものですが、使い慣れると応用が効いて、より自然な発声に変化させられるので、テクニックの基本として覚えておいてください。

コンコーネの13番は良く歌えていたので上がりです。

ダウランドのFlow my tearsを練習しました。

出だしの声の出し方から修正しました。
口を開けること、その意味は声を響かせるやり方として必要であること。
軟口蓋を高く発音することで、Flowの母音Oを音程良く美しく響かせることで声を出し始め、フレーズの最後まで同じように声の響きをつなげられるようになります。

発音の仕方と発声の結びつきを意識してください。

日本語による歌声のキャラクターをそのままこのダウランドの英語歌詞の歌声に活かすのは、基本的には不似合いだと思います。
まず、スタンダードな意味でのこのイギリスのこの英語歌詞の曲に相応しい歌声で歌えるようになってから、あえてそれを崩して日本人的に歌う、という順番ではないでしょうか?