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発声練習

声は低音から高音換声点までバランスの良い声で統一されていた。
彼の声にはちょうど良い感じである。

フォーレ「幻想の水平線」

1、海は果てしなく
歌声は良くなっている印象。
冒頭部分は声を出しすぎないように。
中間部分も詩の内容の意味、イメージを考えた上で、特に声の適度な抑制に注意を。
フォルテ部分の声は良いので、最後のフレーズのイメージをやはり抑制された声で表現してほしい。

2、私は船に乗った

冒頭部分は船に乗った喜びと驚きを良くイメージして。
地上にいた時分を想う歌は、少しずつ感情を増していくが、最初から飛ばさない事。
つまりメロディに左右されないで。
最後のフォルテからカデンツにかけての声は立派であった。

3、「ディアーヌよ、セレネーよ」

これは出色の出来であった。特に冒頭部分から1ページ目は良く歌えた。
後半のEt mon coeur toujours las et toujours agiteのクレッシェンドからSPの声は充分気を付けて。

4、船よ私ははお前たちを・・・

全体に、力まないで声の抑制を考えて全体を落ち着いて冷静に歌ってほしい。
これもカデンツに向かうヒロイックなクレッシェンドからフォルテの声は立派である。

日本歌曲から

千原英喜「はっか草」

歌い出してまだ日が浅いようで、声だけが前面に強調されている感じ。
そのために、言葉がほとんど聞こえてこない。
まずは、詩の文章で心をこめた朗読を練習してほしい。
これは音符のリズムは一切度外視して、言葉としての朗読であるから、その間合いとテンポを最大限重視した方法で行うこと。
これを徹底して行った上で、音楽のリズムで歌うことによって、言葉の意味を感じる朗誦が歌にきれいにマッチング出来るラインが見つかるだろう。
というか見つけてほしい。

高田三郎「くちなし」

これも声量に気を付けて。
詩の内容や音楽を良く観察すれば、自ずと声量の程度が判別できると思う。
底は技術であるので、綺麗な声は野放図に出す声ではないので、声を良い意味で抑制することで歌詞が良く伝わる歌になる。