TH

発声練習

通常の下降形と上行の5度スケールとアルペジオを行った。
いつもと少し声が違うので尋ねたところ、頭部への響きを意識したとのこと。
鼻腔共鳴的な響きなので悪いことはないが、下あごを使うことも指示した。
後々判ったのは、この彼女がトライした発声が、喉の高い声につながったのではないか?ということ。

アドリアーナ・ルクーヴルから「私はしがないしもべです」

レッスン時から良い声を発揮してほぼ完ぺきに歌えていた。
ただ、声が張り過ぎて頑張っているなという感じがした。
これが後に響かなければ良いが、と思いつつ細かい手直しをして何度か通してしまうことに。
特に出だしの表現の弱声の歌声。
声の物理的な大小以前に、感情として内面的な言葉であるから、必然的にPPの指示になっているということ。
PPでも良く響かせるべきだが、底には意味がある事を解って歌ってほしい。

ヴェルディ「椿姫」から「ああ、そはかの人か?花から花へ」

伴奏付きは初めてだったが、張り切ってしまったか?
アリアの出だしからけっこう飛ばしていたが、そのせいか?
最後のページはやや苦しい結果であった。
ただ全体的には良い歌唱力であり、充分に演奏を楽しめる歌唱の出来である。
本番は一発勝負なので、喉を充分に休めてから本番に臨めば大丈夫である。

SM

発声練習

下降形5度スケール、上行アルペジオと5度スケールを練習。
低音発声において、これまでになく地声が強くなりそうな感じが出ていた。
中高音~高音は良い響きであった。

信時潔 歌曲集「沙羅」から「北秋の」

ピアノ伴奏にもう一つ音楽的なイメージが弱かったので、テンポ感含めて促した。
歌はこれまでレッスンで指摘した通り、すっきりと明快に歌うことが求められる。
特に最期の「北秋の花」の「な」を伸ばす音程,確か5点Dだったが、くれぐれもピッチに気を付けてほしい。

同じく「沙羅」より「占ふと」

これはいつも通り、曲想が良く感じられる良い歌唱であった。
音域やリズム感などがぴたりと合っているのだと思う。
そのまま思うように本番も歌えれば良いと思う。

サン・サーンス「サムソンとデリラ」「愛の神よ、私を助けに来ておくれ」

こちらもほぼほぼこれまでのレッスンの結果を出せた出来であった。
一部、Amourの伸ばしが今一歩伸びないのはブレスを急ぐせいか?
この辺りはまだ詰められるので、本番までにチェックして練習をしておいてほしい。