ASY

発声練習

下降形のスケール5度で4点Aから始めた。
喉の温まりが悪いようだったので、改めてブレス時の喉の用意を促した。
ブレス時に息の塊を口奥に感じることと、そこから声を出し始める意識を持つこと。
口奥はそのために、広く大きく感じることも大切である。

イタリア古典歌曲集より ヘンデル Ombra mai fu

学生時代にレッスンをした経験があるとのこと。
楽譜の書き込みを見ると、相当細かく教えてもらえていたようである。

以下、久しぶりの譜読みに際しての基本。
レチタティーヴォは、歌詞、言葉の抑揚以前に、音符が表しているリズムの通りに読むこと。
それが出来てから、自然な抑揚で歌えるように。

リズムが読みにくい場合は、4拍子なら拍節の分かれ目に線を引いて、拍節の区切りを良く理解できるように。

アリア部は、昔の先生が書いた通りで正解である。
冒頭のOmは、響きを集めるための口の使いかたであるし、ロングトーンはクレッシェンドすると息が良く伸びる。
低音のメロディは母音が切れないように充分にレガートに。
最後の高音は、唇でかぶせるように歯をかぶせるように大きく口を開けると、声が柔らかくきれいになる。
ノーブルな人格を表現する歌なので、この高音の声が下品に聞こえないようにするためである。

グノー「セレナーデ」

リズムを正確にみること。基本的に3つを1つに感じて、1小節分を2拍に。
メリスマの最高音に向かっては、口を良く開けて行くことで、声が綺麗に当たる。

グノー「いない人」

音は正確に取れている。
静かな異国風景の中、家族を粛々と思う感情を、大げさにならずに滑らかな旋律として歌うこと。
作曲者自身の詩であるから、彼の悔恨の想いを想像すると良いだろう。

フォーレ「河のほとりで」

中高音域の声が締まって聞こえる点を修正した。
逆に言えば、レッスン最後になって、良く声が出るようになったとも言えるのだが。
中高音以上の声を出すときに、口奥を拡げるように。
喉を締めて絞り出すような中高音は、極力避けるように。