AS

発声練習は軽く終えて、直ぐに曲の練習に入りました。
最初に歌った、フランクのPanis angelicusは一番高いキーで良いと思います。
やはり高音へのチェンジをもう少し勉強した方が良いです。
チェンジをしなくても良い所でチェンジした声を出すのは、おかしいのです。
声のチェンジは、基本的にはやらないで済ませようとするところから、発想すべきだと思います。
そうしないと、身体が覚えないです。
高音に上がるのには、その発声のままでは無理があるから方向を変える、という意味で考えれば、
無理に変えないで済めば変えない発声の方が良い、ということです。

そうやって考えると、概ね2点Eより上ではないでしょうか。
こういうことは、何よりその時の喉の状態と感なして自由自在に出来るようになってください。
発声方法を固めてしまっては良くないのです。

フォーレのレクイエムからPie Jesuをやってみました。
これも勉強のし甲斐がある、と思います。
思ったよりブレスが伸びますし、高音も無理はありません。

シューベルトの「ミニヨンの歌」と「君こそやすらい」の二曲は基本的に彼女の声と歌に合っています。
声の温かみと密度が、曲の調子を静かに表現出来る特質があります。

武満徹の「歌うだけ」はジャズのリズム感と、崩した歌い方が大切なので、歌いこみが必要でしょう。

SM

プーランクの「あたりくじ」を3曲目まで練習しました。
前回、気になっていた、レガートと声の揺れを直そうという意図で、発声に力を入れました。

母音をIにして練習することと、その響きを絶対に換えずにAに換えることで、密な響きの状態でのAの発声になるように、練習しました。
微妙な不安定さはありますが、以前はほとんど出来なかったことが出来るようになっているので、今後の可能性は充分あるでしょう。

あとは歌詞を歌う中で、この発声がどれだけ応用出来るか?だと思います。
気を付けるのは、下顎をなるべく降ろさないように発音(発声)することで、軟口蓋が開くことが判るはずです。

もっとも注意を払ってほしいことは、下顎を降ろさないで発音することで、響きが一定に当たった状態を
確認してほしいのです。その状態が判れば、おのずとその状態を保つように発声することが癖になるでしょう。

勘違いしていなければ良いのですが、喉を開くと言うのは喉奥を拡げるということです。
声帯を開いて息を通すようなことはしません。声帯を開く、ということは、発声上、基本的にはしないことです。
喉を下げるということは、声帯を伸展させる意味があり、声帯を閉じることにむしろ関与するといっても良いでしょう。

この2点を混同しないように気を付けて下さい。
喉は下げて良いのですが、無理に下げ過ぎないことと、軟口蓋が上がっていないと意味がないということです。
喉だけ下げたり、喉方向にだけ息を当てた声を作ると、太く♭な声になるので注意が必要なのです。

EM

シューマンの「詩人の恋」の8番から15番まで、ざっと通しました。
発声はとても安定しており、良い声が出てきています。
特に、発声練習から直した、肩に力を入れて緊張しないようにすることによって、喉がリラックスし、
中低音の声の響きに厚みが出る点が、進歩ですね。
後は、もう少し柔らかくしなやかに歌えると良いです。
とにかく、力まないことです。弱く出すと言う意味ではなく、柔らかく出すのです。

曲の方は、発声そのことよりも、まず何と言っても歌詞をよく読みこむことです。
これは、歌詞の訳を良く調べて、単語を発語しても直ぐに意味が頭に昇りイメージ出来るまで、歌詞を頭に入れることです。
その上で、良く歌いこんで、歌いながら歌詞の意味が明快に判って歌えるまでになること、でしょう。
声のニュアンスは、その上で自然に出てくるようになるのが、もっとも自然で無理のない歌唱法になると思います。

TK

新しい曲の譜読みは出来ていないので、発表会の3曲を復習しました。
声の調子が良くて、特に声帯の合わさりと伸びの良い響きは、とても良かったです。
特筆すべきこともなく、3曲とも練習を終わりましたが、最後のO mio babbino caroで、私が指摘したことは、
ブレス時の喉から軟口蓋にかけての開き、拡がりをしっかり作ること。
これは、歌う発音の時にもいつも意識してみることが良いでしょう。

喉を下げるというよりも、付随したことで重要な軟口蓋を上げること、が重要だと思います。
喉を開いて、と言う時に、喉だけを下げるのではなく、軟口蓋も上げて、いわば、口の奥を大きく拡げるようにして
歌うこと、です。

そしてこのためには、ブレス時に喉奥を少しあくびした状態にする、ということを心がけてください。
あくびそのもの、というよりは、あくびをかみしめたような感じを持つことです。
そのことで、声帯の響きだけではなく、口奥で声の響きが共鳴した状態になって、より響く声が出せるようになるでしょう。
その響く声というのは、声量が増すというよりも、声の響きに厚みが出て、ゆったりした響きになる、と考えてください。