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コンコーネ、19番と20番を練習しました。
ブレスで胸を開く、同時に喉を開いて発声、ということを言いました。
喉の奥上に空間を作ってそこで歌うように、ということです。
中低音の声のピッチと滑らかさが出たように思います。

日本歌曲は高田三郎の「雨が降る」と「冬の森」を練習しました。
中低音域の声の状態は良いのですが、下顎をパクパクさせて発音・発声するため、喉の開きが維持されない声になり、
歌との歌詞自体も子供っぽい歌になってしまいます。

歌詞の表現云々ではなく、単なるレガートと捉えてもらっても構いません。
この点が、マイクで歌うPopsと決定的に違う点なので、どうか良く理解して練習してください。

口先で発音する感覚よりも、口の奥にもう一つ口があり、そこで発音しているイメージです。
指をくわえて歌ってみると、良く分かると思います。

後1曲は、毎回練習している「ラクメ」のアリアです。
冒頭の数小節にわたるメロディは、ブレスも持つようになったし、響きもとても良くなり成長の跡がうかがえます。
途中スタッカートによる早い部分も、良いです。

大ざっぱに言えば、残るは最高音域の発声でしょう。
特に2点Hから上の声は、かなり喉を締めて絞り出すように出しています。
この発声を何とか改善したいところです。

本人の感覚は、この締めることをしないと、最高音域の響きが出なくなりかすってしまう恐怖感があるのだと思われます。
結局、正しいブレスと喉の開き方を覚えることでしか解決方法はないです。
胸の下部を横に拡げるようにブレスをしながら、喉奥は少しあくびをするようにします。

声を出し始める力は、音程の高さに呼応して軟口蓋をどれだけ高く上げるか?という感覚と比例します。
ただ、この時の軟口蓋を高く上げる時に、喉が一緒に上がってしまわずに、引き下げた状態を維持していなければなりません。

この状態を掴むのに、練習量が要るでしょう。
しかし掴めれば、はるかに喉に負担のない、より良く響く声を得ることが出来るでしょう。