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発声練習
4点C~6点Cまで、ほぼ穴のないきれいな声質、音程感である。
とてもバランスが良いと思った。
バランスが良い、という意味は、声質、音程、声量、声域の3要素のベクトルがきれいに揃っているという意味である。
良い発声というのは低音から高音まで満遍なくきれいに整然と使える声、があるなら何でも歌えるものは歌った方が良いと思っている。
それは楽器としての声の可能性を拡げることにつながるからである。
とはいえ、楽器の大きさというのは持ち前のものなので、声量と声の重さ、低音方向への声域には限界があるが、高音とその転がし具合は訓練で入手できる。
己の気にいった作品を自由に選んで、その代わり作品が持つ音楽性を正しく丁寧に表現できるように練習してほしい。
チマーラ「ノスタルジア」
程よい声量と奇麗な声質で、無理なくとてもきれいに歌えていた。
煩いことを言わなければ、現状で十分良い演奏に到達しているが、せっかくのレッスンなのでPによる声の表現について指摘した。
まず歌いながらPという弱声を意識しているかどうか?
していないのなら、意識してそういう声を出そうと思うことから始めよう。
そのことが、先ずは発声技術を見つけるきっかけになる。
息のコントロールが第一。
そして高音に跳躍する際に、不要に高音を域で押さないことが、弱声による美しいレガートが実現されるだろう。
チレア アドリアーナ・ルクヴルール「私は創造の神の卑しいしもべ」
これも大変良く歌えている。
彼女の発声は頭声発声を主眼としているためなのか?口をあまり開けないで顔の頬から上で歌う傾向が強い。
これが、リリックな歌唱における高音の強い表現を阻害する傾向があるのだろう。
下あごを柔軟に下ろすことで、頭ではなく喉下への共鳴を誘引することで、強さを表現する高音になることを指摘した。
このとき、せっかく頭声発声で慣れている頭部に入れることを忘れてしまうと、こもったピッチの悪い声になるのが注意が必要。
発声では、上と下のバランスを常に大切に。
トマ「わたしはティターニャ」
彼女の歌声や話を聴いていると、どうやら自然に歌うタイプらしい。
この曲でも音域上の無理は全く感じない歌声である。
強いて言えば高音域の細かい音符が滑ってしまう傾向はある。
楽器で演奏したらどうだろう?ヴァイオリンなら?フルートなら?と想像してみるを分ると思う。
声楽ならメロディの扱いが多少雑でも、声量と声質が良ければOKとはならないはずである。
このようなコロラトゥーラ作品は音符が中音~高音域で頻出する。
まず細かいメロディの動きを正確にトレース出来る事は最低限確認してほしい。
そのためには、テンポを少し落として正確に歌えているか?を確認して練習してほしい。
この時に、微妙は声の換声ポイントにおける変化を察知して、声の重心を変えるとか軟口蓋を上げるとか下げるとか、口の開け方を含めて声の出し方を探してみると良いだろう。
録音して良いポイントを探してほしい。


