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コンコーネOP15で始めました。 
今回、6番が初めてで重い音楽でしたが、軽い声ながらAdagioでどっしりと粘る音楽を、良く保って歌えていました。
中低音の声も、良く響いています。

この6番ですが、後半、歌が一部アカペラになってA Piacere という指示があるとしても、基本はリズム通りに読んでおいて、
それが出来てから、自由に歌う、という手順を守って練習して下さい。
最初から自由にやると、他の部分との整合性がなくなって、何が何だかわからない音楽になってしまいます。

それから細かい音符、たとえば16分音符が作る細かいメリスマなどの歌い方ですが、もう少し拍頭に
響きの重心を置いて歌うようにしてください。
その方が声の響きが活きるからです。

この時代のイタリアベルカントの音楽は、特にヴァイオリンなどの器楽的な扱いを声に模倣していることが
とても多いです。バイオリンの響きの出し方と声が似ている、という点も共通性があるのでしょう。
音符だけを見ていると、まるでバイオリン曲のように思えないでしょうか?
ただ音符をなぞるのではなく、どうやってフレージングするか?という
勉強のためには、19世紀ロマン派時代のイタリアのバイオリン曲を良く聞いてみることをお薦めします。

ドニゼッティの歌曲は、Il sospiroから。
低音の多いこの曲を良く歌いこんでいました。
歌声のレベルが高くなればこそ、この音域で歌曲、という観点から見ても、語感をもっと出した歌になってほしいと思いました。
音符的、声的に、問題なのではなく、言葉のアクセントと語感が歌い廻しに反映されないと、音楽として面白くならないです。
その意味で、イタリア語のアクセントを持った歌詞の朗読練習を薦めます。

モーツアルトのセッコを練習するのも、語感を育む意味で良いでしょう。

次のIl barcaioloもまったく同じです。何となく歌い込むのではなく、歌う前に歌詞を朗読して下さい。
もちろん、アクセントのある単語を繋げることで、音楽的な起伏のある朗唱が出来ることが最低条件になります。

最後にモーツアルトのコンサートアリア、Vorrei spiegarvi oh Dio!を練習しました。
この曲は音域が完全にコロラチューラソプラノの音域です。
問題は、2点E以上から始まるフレーズが多く、このために喉が上がってしまった声で歌う状態が頻発してしまいました。
それでも、歌い通せる喉ですが、聴いていて少々苦しい感じがしました。

声のチェンジが意識された、声の出し始めの準備が出来るかどうか?
喉の場所よりも一段下の場所から声が出る意識を持つために、オクターブ下の声で歌ってみることをやりました。
それから、喉より深い場所を少し擦るような感じを持つことも、喉を上げない高音発声にきっかけにはなると思います。
あとは、スタッカートの練習で喉の安定を覚えること。
高音はなんとなくやっている限り、締まる声からなかなか脱出できないです。