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発声練習

結果的に喉を開けるために口の開け方を大きめに取る練習。
高音域は、5点Aくらいまでで留めた。

イタリア古典歌曲集2巻のIntorno all’idol mio

全体に綺麗にそつなく歌えていた。
基本が良い状態なので、更に弱声やテンポの変化でよる表現を深める事でこの作品の魅力が増すであろう。

ロッシーニ「約束」

イメージにジャスト・フィットな歌唱であった。
イタリアらしく明快ではっきりとした、良い意味で芯のある強い女性のイメージが浮かぶものであった。

モーツアルト「ドン・ジョヴァンニ」のドンナ・アンナのアリア。

ブレスの長さは保たれる面で進歩を感じたのと、高音の重さが軽減された。
ただ、後半のアレグロ楽節以降で、まだ絞まり気味の傾向はある。
喉を開ける事に注力することと、喉で当てない傾向で意識すること。
最後のフレーズだけはFで歌うわけで、ピアノ伴奏の力強さと合わせて、これは声を太く幅広く感じて歌うと良いだろう。

ベッリーニ「夢遊病の女」より「ああ、信じられない」

ブレスのポイントや声の扱いなど、これまで指導してきたことが集約された良い出来であった。

チレア「アドリアーナ・ルクヴルール」「哀れな花よ」

オクターブの跳躍では高音側の呼気の強さは慎重に抑制して出すこと。
その方が滑らかなフレーズ感が表出して綺麗である。
また強声から急に弱声に変化するさいも、その変化には充分注意して対応してほしい。
音域的には広くないので、弱声の扱いに習熟する方が、この曲のドラマ性が表現しやすいと考えるべきであろう。

シューマン「月の夜」

声の細さと太さの違いは声の強弱と関係あり、弱声で歌う冒頭のメロディは声を細くピッチを充分高く歌ってほしい。
特に換声点のE#~F#にかけてのピッチは重要だ。
逆にフィナーレで再び現れる冒頭のモチーフは、Fで歌うわけで、伴奏の和音と共に充実したFの声を歌うため、太く胸も意識した声が相応しい。