TNK
発声練習
2点G~4点Fまでを、上行形のアルペジオとスケールで練習。
ピッチも声質も良いが、声を鼻腔だけで処理する感じがやや気になった。
そのため、母音をEにして再練習してみると、声が前に出てくる。
この前に出てくるのは、特に中低音では大事である。
実際は子音Lを付ける方が良いだろう。
また、やはり口の開け方も足りない。
歌いながら口を開けていくことが、実際の歌唱における高音発声に役立っていくことも大きい。
E母音でも、下あごをもっと下ろす意識で始めてほしい。
そして、この練習ではE母音を歌いながら急にA母音に切り替えるということに意味がある。
つまりE母音の出し方の感覚に近くA母音を処理する発声を身に着けてほしいということ。
コンコーネOP9から44番。
概ね譜面の読み取りに間違いはなかったが、6/8拍子のリズム感において、勘違いがいくつかあたことを訂正。
最後の最高音4点A♭を歌えること、歌おうと努力することにおいて、価値があると思った。
モンポウ cantar al delma
高音域、特に換声点の発声が未熟なため、開いた声で無理がある、
それ以前に、この作品が持つテンションの高さに集中出来ていない。
それは、前述の高音発声の難しさが理由であろう。
卵が先か鶏が先か?ではないが、まず理屈抜きにこの歌の激しさを出してみることが大事。
その上で、困難をどう克服するか?という発想を大事にしてほしい。
換声点で教えたことは、口を開けて対処すること。
開けたときに、喉奥に声を少し押し込むように意識すること。
つまり、喉仏が上がらないように抑え込むということである。
モンポウ aureana do sil
グレゴリア聖歌に準じた書法であることを知ることが、この歌をうまく歌う鍵になると思われた。
それは、同度で連続する8分音符は、おおむね単語のひとくくりの部分になるため、連続させて歌う意識が必要であること。
三善晃 茨木のりこの詩による「一人は賑やか」
この曲も高音発声に注意を。
教えたように換声点の発声を明快に対処できるようになると良い。
後は歌詞の歌い方だが、始まりが弱拍であれば、むしろ強調するように歌うと良い。
結果的に歌詞が明快な歌になるし、それは詩の意味にも沿っていると思われる。