MC

発声練習を聞いていると、彼女の声の特徴が良くわかる。
ロングトーンだと響きが出るが、細かいと抜ける傾向。
ただ、低音は意外なほど良く出るし、綺麗に地声領域に変換できる。
そして、高音はこれまた綺麗な頭声に切り替わって3点Cくらいまで問題ない。

ただ、中~中高音域はやや癖があって、鼻腔の響きが混ざって、締り気味だが、それが
ある意味でキャラクターにはなる。子供っぽいが、びみょ~な色気にもなる。
要するに得な歌声の持ち主である。

曲はダウランドから。
Can she excuse my wrongs?余り速くならないように。声を滑らかに美しく!
そのために、声を締めて集めすぎないで開いた響きを大切に。
Ccme againも同じく。出だしのComeのkの子音時に、呼気が混ざりすぎる気がする。
あたかもKwaと聞こえるが、瞬時にKaと発音してアタックも瞬時に出る方が綺麗だと思う。

Flow my tears は、5線の上の方の声をもう少し開いた響きにして欲しい。
あまり鼻腔に集まる声だけだと、少しうるさい感じがするが、ホールで聞くと違う面もあるかもしれないが。。

Fine knacks for ladiesこういうキャッチー!?な曲は上手い。
彼女の固有の声が、そのキャッチーさに合っていて、何か洗練と言うのとは違う、色気みたいなものを感じる。良い!

パーセルから。
知らない曲だったが、Dear pretty youth!なんとチャーミングな曲!
Hark! how all of thingsもI attempt from love’s sicknessもとても雰囲気が良い。
英語の発音もとても綺麗である。

TK

発声の声はとても調子が良い。軽く流して直ぐに曲になった。
バッハのカンタータばかり3曲歌った。
今日のトピックとしては、中音域で声の響きが落ちやすいところの注意である。

発声の際に良く「押す」と言う言葉があるが、この意味は、漠然と出る声をそのまま「押し出してしまう」とい意味である。
これはなるべくやらないようにしなければいけない。

例えば、声と言うのは出す瞬間に「あ!これははまる」とか「あ!これは上手く行かない」ということがなぜか分かるものだ。
その際に、瞬間的であれば単に「押さない」で出すことで対処した方が、声のあらが出ないのだ。

そして、このためには、いつもどこの音域で上手く行かない傾向があるのか?あるいは音域と母音との関係もあるだろう。
どの母音だと上手く行かない傾向があるのか?
ということを、普段のレッスン時から把握しておくことが大切である。

その上で、概ね押してしまう場合には、口の開け方に注意することである。
大切なことは、喉が開いているかどうか?だから、口の開き方に充分注意を払うこと。
これは、開けるだけではなく、逆に閉じるように使う場合もある。

そういうように常に良い声を「探す」努力をしていただきたい。

SM

発声練習は、中低音で前に声が当り出している。後は喉が上がらないことも大切に。
逆に高音域が、なぜか?喉が上がってしまう。チェンジしただけにならないように。
スタッカートで深いアタックを練習してから、再度レガートで練習。
くれぐれも喉が上がったホワイトボイスにならないよう注意して欲しい。
声が当たるのを怖がっているが、怖がらないこと。
その状態で、軟口蓋がしっかり上がった発声を覚えることである。

今日は前回と同じ曲3曲を練習。
Le collibriは声は問題ない。
やはりアッチェレして戻すところで、テンポ感がつかめていなかった。
ここを再度練習して、問題なく通過。
もう一回やって大丈夫なら上がりだろう。

そしてカルメンのミカエラ。
これはかなり細かく練習。
基本的に声をしっかり身体で出すこと。
本人は意識はないかもしれないが、ややもすると口先で歌ってしまう点を、くれぐれも注意して欲しい。

気持ちの良い歌いたくなるアリアだが、アリアであることをくれぐれも忘れないで。
劇場でオケ伴で歌うことを前提に。
そういう視点でそれぞれのフレーズ毎に細かく練習をした。

恐らく耳慣れたアリアだろうし、気持ちも入りやすいと思うが、まずはきっちりテンポを確立すること。そして歌詞をはっきり深い発声で発音すること。
それは、身体で歌うことにつながるだろう。

MM

このところ、大分発声のコツをつかんできて、良い結果が出ているが、今日は最高だった。
どうも一緒に歌ってやると、こつがつかめるみたいで、後押しされるのだろう。
後は、本人がその声に納得して堂々と自信を持ってやること、細かいことに気を取られないことだろう。

発声はいつも低音から上向で始めるのだが、これは低音で喉の落ちたリラックスして良く響く声、あるいは低音だからこそ喉が楽に開く声を出しやすいだろう、という意図があるからである。
発声の様子を見ていると、以前に比べてもこちらの意図を解して、上手く対処出来るようになったことが良く分かるようになった。

何度も言うことだが、2点C以上で喉が上がらないこと、喉で押さないこと、である。
そのための口の使い方や姿勢、ということに尽きる。

結論的には、喉が上がらないように意識することは出来ているので、それを徹底すること。
そして、同時に発音と関連して、上顎の使い方、軟口蓋の使い方に習熟して欲しい。
それは、発音、子音の発音も関係が大きいからである。

口の使い方は顔面の筋肉や、舌の動きの柔軟さもある。
口を動かすことで子音発音しないで、なるべく舌先で出すような意識が喉を締めないたねにはは大きな要素だろう。

シューベルトFrulinglaube、シャブリエCouplets de Mariette,ミミのアリア、いずれもとても良い発声で歌えるようになった。
ミミだけど、他の歌曲とまったく同じ考え方で、MMさんの持ち声で堂々と歌うことが、良い発声につながるし、それがMMさんの表現するミミだろう。