TY

発声は地声領域を主にやってみたが、意外なほど地声にならないで、ぎりぎり上の声で出していた。
そしてむしろ高音域の発声が良くなっていて驚いた。
口の使い方などを見ていても、上手く対処して共鳴を出そうとしているのが分かるものであった。
喉が上がらないようになったのである。
特に下降形だと良い。
上向形だと、少し喉が上がりやすいが、それでも保っている。
後はハミングを練習。ハミングを練習することで、母音を喉で作らないで響きを作る意識が出てくるからである。

今日は後半、コンコーネ50番の13番を練習した。
リズム、音、ともに彼女には難しくて何度も細かく見ていった。
譜読み自体は固定ドで読む方が読みやすそうだが、逆にドレミファが言い辛そうである。
リズム読みと音取りを分けて行った。
リズムは小節線をまたぐシンコペーションに注意!
リズムさえしっかり出来れば、音取り自体はそれほど問題はなさそうである。

HA

発声の声は、イの母音が一番綺麗である。
2点Fを越えても芯が残ったまま開いた共鳴のある、非常に透明感のある高音になってきている。
従って後はイからエそしてアと変化する練習を。
その上で開いたアでも抜けないで喉が上がらない響きの指針が出来るだろう。
上に昇るほど喉が上がらないように、である。

曲はモーツアルトの「アレルヤ」から。
長いフレーズのメリスマが一番難しい。
最初は声が抜けてしまってふにゃふにゃになるので、部分練習となった。
低音は口を開けすぎないこと。エなどの響きから応用すると良い。
高音にいくほど深くするように。すなわち開けるように。

そしてモーツアルトのLaudate dominumを。
長いフレーズで、特に長い音符とフレーズ前半では息を押さえ込んで出し過ぎないように。
それは発声としても、顎を良く引いて、響きを逃がさないでオデコ辺りを狙って少しずつ出していくように、である。

最後に「千の風」を歌って終わりにした。感心するくらいに歌に彼女の自然な思い入れが表現されている。純粋で明るい彼女の感情であり、これはなかなか真似の出来るものではない、彼女の歌手としてのタレントだと思う。大事にして欲しい。

SY

発声では、2点Cくらいから自然に出していると喉が上がるから、口を縦にして発声、あるいは少し突き出すような意識を持つと、自然に喉が上がらないで高音域に入って行けるだろう。
中低音も、喉が浅くならないように、声の出だし、あるいはブレス時に、あくびした状態を意識して欲しい。

曲は「イブの唄」Eau vivanteから。
譜読みは出来ているので、声のことに及んだ。
これも、低音から響きを意識して欲しい。
特に狭い母音と細かい音符の母音に注意!

これらのことは、他の曲もすべて同じである。
今日は後、Dans un parfum de roses blanchesとComme Dieu rayonne..そしてParadisと歌ったが
課題は同じである。

究極的にいえば、母音で声を意識すること、である。
そしてその母音というのは、シラブル一つ一つではなく、塊の中の大事な母音である。

例えば、Que tu es simple et claire..とあると、最初のQueのE,Simpleの鼻母音、ClaireのEである。
そういポイントの母音を良い声で良く響かせてフレージングできることを覚えれば、初期の目的は達成したといっても過言ではないだろう。