あごが疲れる理由と解消法

声楽を長年続けてきたが、あごが疲れて困るという経験が過去に何年かあった。
自分なりに、この顎の疲れを解決したので紹介したい。

まず、なぜ歌うと顎が疲れるのか?という理由。

結論は、声の出し過ぎが続くことが原因になることが多い。
しかし、これは関節の強さや筋肉の強さなどの個人差があるので、同じことをやってもびくともしない人もいるので、あくまで私の場合として理解してほしい。

一般に、歌うときには声量を出すために力を使うが、その力をどこに使っているか?
呼吸に関連することは別にして、発音・発声そのものについて言えば、歌詞を歌う際に使う舌やあごが思い浮かぶはずである。

実際に声楽でマイクを使わずに歌おうとすると、無意識で声を出そうとして力を入れるだろう。
そのとき、顎を固くして開いて舌に力を入れることで、息がしっかり吐きやすくなり物理的に強い呼気で大きな声が瞬間的に出るようになるはずである。

こういう状態が、顎を痛くする原因になる。

声楽発声において、顎を固くして舌に不要な力を入れて声を大きくするのではないということが最も重要であること。

声楽発声は、ホールに朗々と良く響く声がアマチュアの方には印象が強いのだと思う。
しかし、声楽発声で最も重要なことは、声帯とそれを機能させる筋群において余計な力みを出さないことが最も大事であることを知ってほしい。

ある程度歌えるようになり、譜読みもし歌詞も覚えて良く歌っている歌をそのまま歌いながら、この顎の疲れや痛みを改善しようとするための顎や舌の脱力は、発声の基本から変えて行く勇気を持たないと難しい。
それは母音発声の方法論もあるし、歌詞の発音の方法にも原因があるだろう。

発声方法の前に、まず自分の顎の開き具合を知る方法を。

1、立った状態で天井を向き、口をだら~んと開けたときの開き具合を覚える。
2、この時、あご関節がガクッとして重力で自然に降りたら、その状態を覚えて。
3、そのまま顎がだら~んと降り、口が開いた状態で天井から顔を下げまっすぐ前を見た通常に戻る。

この状態で、どの程度開いているか?
これが、あなたの顎が脱力して開けられる最大の開度である。

これを覚えて、これ以上開けないで無理をしない声量で歌うことが日常的に出来るようになることを先ず会得してほしい。
それから、更にどのように声量を増していくか?を覚えて行くべきと考える。