ちょっとさぼると、直ぐ一ヶ月経っちゃいますね。ご無沙汰でした。

今回は、呼吸の身体使いで思ったことを。

私自身は、下腹部を締めて斜腹筋が背中に向けて伸び、一見お腹をへこましてブレスをしているように感じますが、胃の部分、すなわちみぞおちの直ぐ下が少し膨らみます。
また、歌う場合は、その膨らんだ部分を更に膨らませるようになりますし、腰の方も少し含み、また側腹部も脹らみます。
当然、胸も拡がりますね。

また、短いブレスであれば、この斜腹筋が緊張した状態を変えないで、少し入れる、というブレスもあります。
当然、休みが長ければ、いったん緩めて、再度一からやり直し、となるわけです。

逆腹式呼吸とか、腹式呼吸とか?という、例えば体操や気功などで言われている言葉の、本当の意味や理屈を知りませんが、私の声楽における身体の膨らませる、へこませるの感覚は上記の通りです。
この方法は、人によって実は微妙に違っている面があるかと思います。

大事なことはどこが脹らむか?へこむか?という現象や言葉に拘るよりも、発声の実感が自然に呼気と連動出来ているか?
あるいは充実したブレスが行えているか?そのブレスしたものを呼気としてコントロール出来ているか?
という実感にあるわけであり、ぶっちゃけ!結果オーライと言っても過言ではないと思ってます。

随分と、大雑把みたいですが、私が言いたいのは、細かい指示を与えることで、混乱されたり、あるいは言葉の伝達において、誤解が生じたりする弊害を避けたいのです。
どうしてか?というと、初心者の皆さんが用語に振り回されているように思うからです。
これは、指導者の問題でもありますね。
ついつい、用語を使ってしまうわけですが、その用語がどういう意味を持っていて、どういう状態であるか?と正確に教えないで使うから、生徒は一瞬判った気になるけども、実は
判っていない、という状態になるわけです。

それなら、用語や表面的な身体使いのことよりも、どういう声が出て、そのときどのように身体を使ったか?という経験を把握することが大切でしょう。
それで良ければその状態を覚えること、再現性を高めることがとても大切なことです。

再現性を良くするためには、先ほどの用語を知っているよりも、自分の実感を言葉にする能力が大切です。
例えば、どこに声が響いたか?ブレスを入れると、どこに入った感じがするか?身体はどう反応したか?
自分なりの言葉にして、記憶しましょう。
また再現するときに、言葉を思い出せば、身体の使い方の再現性が少し良くなると思います。
そうやって、良かった感覚を何度も何度も身につけて行って、上達してください。