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発声練習
以前にくらべると中高音から換声点の処理が上手になったと感じた。
よく言えば喉を使わない発声になるのだが、喉の使い方を覚えるためには喉そのものを意識した発声も覚えるべきだろう。
合唱だと声質が目立ってしまうかもしれないが、低音域などは深くこもる声ではなく、高く響くピッチの良い低音を出す。
そのためには、喉そのものへの意識や横隔膜の保持をしっかりすることなど、課題はあるだろう。
歌を歌うということは、子供のころから自然にある行為であるが、それがこと声楽となると、全く違う側面を持つことに着目する必要がある。
それは、喉を楽器を扱うようにして歌うということ。
トスティ ソルフェッジ50から13番
冒頭にMezza voceとあるから、柔らかい声が適しているのだろう。
彼の歌い方はその表現に適したものだと思う。
ソルフェージュ的にも特に問題はなかった。
難しい転調する箇所はそのピッチに注意が必要である。
トスティ「君なんか、もう」
全体を問題なく歌えている。
さらに表現としてお願いしたことは、長い音符を長く歌おうとすること。
この曲のある面で特徴であろう。
それはイタリア語のアクセントに応じているだろうし、感情表現としても伸ばしたいところがある。
譜面の拍節のリズムに乗りすぎないで、長く伸ばすことが良い効果を生む。
それはピアノ伴奏とのアンサンブルでどれだけできるか?ということになる。
キーを下げたので高音の技術的な課題は一応なくなった。
ただ、まだ上ずる傾向は残っている。
息で押すのではなく、むしろ息は止まった状態で声帯が振動する感覚、ということ。
素朴な歌心だけで、ついつい高い声を張り上げる無意識から離れて有意識で冷静に対処してほしい。
信時潔 歌曲集「沙羅」より「丹澤」
前回から決まったことだが、全体に荘重な雰囲気を声を使ってだすこと。
文語体なので、その意味でも謡曲のような口の使い方と声質を意識するとよいだろう。
一点だけ、高音の「見やる」の「や」が4点Fである。
この発声はまだ未解決である。
頑張ってもうまく行かない。
頑張るのではなく、息の止めと喉の使い方に徹底集中すること。
それと半母音の「や」の発音の仕方。
この2点ができると成功するだろう。




