TNK

発声練習

換声点近くなってくると、喉が自然に高くなろうとする影響で顔を前に出すように歌う。
これは、以前教えた換声点近くなって喉の高さをコントロールするための下あごを降ろす動きと連動しているようである。
連動させると、声帯の正しい動きが阻害されて、いわゆる腹の付かない歌声になってしまう。
顔を動かさないためには、腰から背中の背骨をしっかり立て、頭がそこにどっしり乗っている感覚をイメージすると良い。

声が出にくいのは、呼気圧が足りないからであるが、これも声の方向性が大切、
換声点以降で声を前に出して歌うと、喉だけしめていわゆる叫び声になってしまうからである。

コンコーネOP9から21番

リズムの読みを正確に歌として表現すること。
特に細かい音符の扱い、3連符の扱い。
また細かい音符で広い音域にまたがるアルペジオの音程感も正確に。
この場合、発声上の課題が顕著になること。
喉が開いている上で、喉が自由に動けることが細かい音程を正確に素早く歌えることを担保する。
そのため、喉を開けることと、そのためのブレスのお腹の状態が重要事項となる。

イタリア古典歌曲集からPiacer d’amor

中間部の表現として、テンポ感を少し速める、あるいは先に進む積極性を持って歌うこと。
短調に転調していることと、歌詞の内容を考えての事。
フィナーレのフレーズのブレスポイントと、カンニングブレスについて指示。

フォーレの歌曲Chanson du pecheur

音符を正確に声に表現すること、を主題として練習をした。
歌詞を付けないで、母音Aで正確な音程とリズム感を実現すること。
正確に音符を歌うこととは、音程とリズムを正確に歌として表現すること。
そのことで、この音楽の持つ性格が表現されることに留意することが最も大事である。