山中信、試演会の報告と自己評価
先週の土曜日、11月22日は1年ぶりの本番でした。
ラヴェルの作品だけのプログラムで、私が「ロンサール、その魂へ」「クレマン・マロの2つのエピグラム」「博物誌」ムジカCの生徒である阿部さんに日本語歌詞による「ステファヌ。マラルメの3つの詩」最後が「デュルシネア姫に想いを寄せるドン・キホーテの歌」となりました。
本番までの約10か月間伴奏合わせの練習をして来ましたが、5月に肺炎で1か月の入院そして肺炎による間質性肺炎の増悪という最悪の結果になり、退院後は在宅酸素医療という結果になりました。
鼻にチューブで酸素ボンベの空気を送るという治療です。
入院中は死も覚悟し仮に退院できても2階にある音楽室に行けない、愛用のPCも触れない、、どうしようか!という気分になりました。
ところが、不思議なもので退院後自宅に戻って2階にある音楽室で歌ってみると、何とか歌えるではありませんか!
しかしそれからが苦労の連続でした。
呼吸が足りないことによるフレーズ中の声の乱れやむせが生じ、呼吸が足りないためにフレーズが短くなってしまいました。
また、服用しているステロイド剤の影響で声帯が細くなる感覚になり、高音は出るが低音が出にくい、等々様々な困難を抱えることになりました。
本番直前は、もうどうにでもなれ、という気分で相変わらず調子の出ない練習でしたが、
ふたを開けてみると不思議なほどに声の不具合が収まり、どうにか終演を迎える事が出来ました。
録画を聞いてみて声の響きは納得でしたが、やはりブレスの短いのは否めません。
しかしこれはもう致し方ないので、諦めてブレスを短くして歌う表現方法を考えていきたいと思いました。
生徒の阿部さんに「マラルメの3つの詩」を歌ってもらいました。
これは私がフランス語歌詞を日本語に直したものでした。
以前からフランス歌曲を日本語で歌うためにいくつか訳してきましたが、この作品が予想外に日本語で違和感がなかったのです。
曲自体は譜読みが難解な作品ですが、彼女はは譜読みが速く短期間でよく勉強してくれました。
リハで聞いた限りでも、日本語歌詞が明快に聞こえると同時に、ラヴェルの音楽が心地よく感じられる素晴らしい出来でした。
ピアニストの石元さん
全プログラムの伴奏を弾いてもらった上で、ラヴェルの「ソナチネ」3曲を通して弾いてもらいました。
私としては、まったくの安心感と信頼感で歌えました。
ソナチネはどの曲も安心して聞ける安定した演奏でした。
プロフェッショナルな演奏だったと思います。
緊張や集中力の問題もあったかもしれませんが、それを跳ねのけての盤石な演奏スタイルが素晴らしいです。
これからも期待しています。






