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ルーセルの歌曲 Reponse d’une epouse sage
ルーセルらしい乾いた音楽表現の中に、声の響きの美しさが漂う曲です。
響きの美しさを強調するためには、ピアノの音と歌声の関係が大事です。
ということは、声のピッチにこだわる必要があります。
ピアノの音楽の場所によって、ジャストが良いか?少し高めか?低めが良いか?
ピアノ音楽を良く感じて、その上に声がどう響くか?を良く確かめるように練習してみてください。
このことは、声量との大小も関係しますので、自分の声とピアノの音とが綺麗に混ざる程度を良く感じて発声してください。

フォーレの「リディア」と「夢のあとに」
この古典的な歌曲をクラシカルな味わいで聞かせられるまでに成長したことに、感慨深いものがありました。
特にビブラートが上手く使えるようになったことは大きいですね。
ただ「夢のあとに」では、時として不用意に浅い響きが出てきます。特に2点C~Fくらいの音域では気を付けてください。
良く響く声、という感覚や観点には注意した方が良いのは、特に中音域です。

「リディア」は、あえてビブラートをかけない唱法をやってもらいました。
ビブラートを意識して出さないようにすると、ピッチが低めになりますが、これを低目にならないように注意することと、
声量を抑制することで、独特の表現が出てきます。

アントニアのアリア「キジバトは逃げ去った」
音楽の頂点に向かって駆け上がって行くグルーヴ感を持っていて、歌手としての大きな資質でしょう。
声と表現が徐々に一致して来たと感じました。
駆けあがってから、オクターブ下にさがりますが、この声の下がり方に注意してください。
下の声でしっかり出すのであれば、良く軟口蓋の上がった響きを忘れないように。