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発声は、地声まで降りてからハミングを練習した。
その後は母音をIからEそしてAへと変化させて、結果的にAの響きを前に出すように練習。
彼女の場合は特に中低音でAの母音になると、声が引っ込んで通りが悪くなるので、練習をした。
結論からいうと、口をあまり開かない方が共鳴が出来る。
前歯に近い辺りで響く感触を覚えておくと、中低音で通る声が作れるだろう。
後、ブレスからブレス後発声の際のお腹周りの使い方を復習。
特に声を出す際に、横隔膜を拡げる様にお腹から腰を意識すること。

曲は信時潔の「沙羅」から「鴉」は、謡曲のようなユーモラスな語感を十分生かしそう。
「てにをは」をはっきりと、特に「を、わ」の発音は、Wをゆったり二重母音風に強調すると良いだろう。
そして、クレッシェンドや16分休符の記譜を、これも十分表現してほしい。
「行々子」は、プロテスタントの古い賛美歌を思わせる、明るい素朴な喜びに溢れている。
そのためには、母音あを、明るく。横開きにして縦に深い発音にならないように。
「占ふと」は、反対に重い旋律なので、レガートに歌うほうが良いと思う。

シューマンOp39Liederkreis4番は、最初は遅いテンポに落としても、6/8のリズム感を、十分出すことを身につけてほしい。
5番は、前半部分は月の見える夜の静かな雰囲気を、徹底した平らなレガート感を出すことで表現してほしい。
また、繰り返し出てくるモチーフのFisの響きが♭にならないよう、力まずに音程感を大切にしてほしい。