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久しぶりに遠方からレッスンに来られた。

アーンのA chlorisとReverieの2曲を練習。

レッスン前に2~30分も、フランス語の歌とか、その歌い方についてなど、話をした。

やはり正確な発音と声とのバランスは大事、ということ。
発音も単語単位から、文節で語る練習をして朗読の練習まで幅広く練習方法がある。
何より、フランス語を語る感覚を持ったうえで歌うと、自然に声の扱いが変わると思う。

声だけのことを考えていると、恐らくすべての母音が同じように発音され、べったりとレガートに歌うことになるだろう。
しかし、ある種のフランス歌曲は、そのような歌い方をすると、本来の良さが出なくなる。
そういう歌い方でも、良さが表現されるものもあるだろう。

いずれにしても、フランス語の歌詞を訳すだけだと、頭で理解するだけのフランス語。
語ることを覚えて、口でフランス語を味わってほしい。
そこから、自分の歌声とフランス語との接点が見つけて行けるはず、と考えている。

曲の中では、主にあいまい母音のeやUの母音とAについてうるさく言った。

Uは、口先を良くすぼめ唇を突き出すようにして、深く発音してほしい。
口先で響かせさずに、鼻腔に響かせれば良い。
また、あいまい母音は、思ったより明るく広い母音と認識すること。

特にA Chlorisは、バロック風の音楽で荘重さのある曲なので、フランス語の陰影のある歌に仕上げていただきたい。

Reverieは、逆に現代的で、カンツォーネ風、南国風なので、フランス語の陰影云々があまり気にならない作風だ。
解放的に声を扱って歌えば、良さが発揮されるだろう。
もちろん、発音がきちっとした上で出来れば完璧と思う。