ISS

発声練習はスケールとアルペジョを一通り1オクターブ半くらいの練習。
そのご、曲の練習をしました。

曲はフォーレの「漁夫の唄」から。
声は良い声なのですが、歌詞のフランス語の影響なのか、メロディラインが不揃いな印象があり、この点を修正することになりました。
単純な8分音符の並びを揃えることや、特に3連符を揃えること。
フォーレのシンプルな歌曲は、このように細かい音符がきれいに揃わないと、音楽的な印象が悪くなってしまう点は、古典的な音楽であるということです。
また、この曲の表現の場合、テンポ感も大事であり、特に冒頭のレシタティーヴォ風の始まりの部分は、かなりゆっくり目に歌うことと、上記の音符の揃いをきれいに歌うことで、この詩の持つ悲哀が表現されます。
そして、メロディのテーマに当たる、Que mon sort est amerの部分から、テンポにアクセルが入って繰り返されるSans amourを頂点にフレージングすること。
その後のS’en aller sur la merは、基に戻ってPで歌うという起伏の付け方が良いかと思います。

2曲目、グノーの「ファウスト」からヴァランタンのアリア。
これは、声質に及びました。
良い声なのですが、まだ細くてバリトンというには厚みが足りない感じ。
出来るかできないか?やってみましたが、喉のもっと深い場所から声を出だすようにやってもらったところ、声質はこもりますが、厚みのあるバリトンらしい良い声が出てきました。
成功だと思います。
声質を明るく前に出すことだけだと、テノーラルな声になるのは、実は誰でも同じことです。
この声の出し方は、音程感が良く、音符を良いテンポ感で歌いやすくするために、まず最初に覚えるべきでしょうが、更にバリトンらしい太味のある声にするためには、
より深い発声を覚える必要があるでしょう。