HM

発声はハミングをオクターブ半くらいやってから、母音でやはり上向形で練習しました。
I-Aという母音で、ドミソの練習は効果的と感じました。

10月のコンサートのプログラムをざっと通しました。
まず、ロッシーニの「約束」から。
彼女のレパートリーとしては珍しい体験だったようです。
大変きれいに歌えていて、彼女の実力を感じました。

強いて言えば、弱声の指示に十分気を付けて、全体を構成する事でしょう。
フォルテには限界がありますが、弱声は開発の十分な余地が残されていると感じます。
そのことで、ただ明るく張りがあるイタリアのロッシーニの歌曲、という固定概念から離れた、本来の美しい、この「約束」が完成すると思います。

日本歌曲は「からたちの花」
明るく衒いのない、歌いまわしでした。
テンポももっさりしないで、軽快な歌になったと思います。
しかし、この曲も特にPPPとPが3つ並ぶところは、十分に注意して歌ってください。
注意してPPPを表現することで、その部分の歌詞が表現している、誠実さが表現できるからです。

からたちの・・・の「か」がほんの少しだけ「きゃ」に聴こえそうになるので、気を付けてください。
「か」から「ら」に移行する時に、開いた口を閉じないで、舌の動きで「ら」すなわちLAを歌ってください。
そのことで、声の響きが途切れなくなるからです。

バッハの「あなたの傍にいたら」
良く歌えていましたが、フレーズの音楽が緩い感じがしましたので、テンポを強く意識した歌い方を支持しました。
四分音符の半分の八分音符でリズムを刻むように意識してもらいました。
これが効果的でした。一つ一つの音符がないがしろにならないので、声の響きもレガートに感じます。
また、もちろんリズムが正確になるので、動きがぐらつかないので、この曲の持つ静かで内面的な情熱を良く表現した音楽になります。

モーツアルトの「魔笛」パミーナのアリア。
以前よりもブレスが伸びて、安定したアリアになりました。
そして、最後にヘンデルのPiangero la sorte mia
レシタティーヴォは、ほぼ完璧でした。
アリアは、これもLargo部分は、長い音符がぐらつかないように、細かいビートを意識しておくことと、Pの指示でも、何となく歌わないで、響きはしっかり意識する事です。
中間部は、テンポが速くても良いですが、声の迫力が削がれるので、どちらで中間部の情熱を表現するか?でしょう。