MYM

土曜日の本番の反省に基づいて、呼吸をいったん見直しました。
お腹周りは、脱力状態で自然に息が入るようにしました。
寝ている時に、自然にお腹が膨らむような呼吸法です。

本人は息が入った気がしない、と言ってますが、入った気がするようにブレスすると、恐らく胸式になると思います。
まずは、胸を使わない方法で、リラックスして息が吸える状態であること、を選択してください。

後は、喉の問題の方法の選択で、息を余計に使わないことが出来ることで、ブレスの耐久性が上がることも、間接的にブレスを伸ばす方法になります。

今日は、発声だけをやりましたが、やはりこのお腹の問題と、喉の問題と分けて考えたほうが分かりやすいと思いました。

喉は、換声点の前までは、軟口蓋だけ意識していても良いのですが、換声点の5点E辺りから彼女の場合は喉が不安定になるので、下あごを下げて口の奥が外から見えるような意識で、口を開けて歌う方法を指示しました。
この時、特に喉が動かないように安定して音程を出すために、喉そのものに当てる方法を指示しました。
実際は、喉より下の鎖骨の窪みに声を当てるようにします。

しかし、やはり上向形が難しいです。

そこで、スタッカートを練習に取り入れました。
ドミソであれば、最高音の時に、鎖骨のくぼみに当てる感覚です。
当てる強さと喉そのものの意識の変化で、音程が決まるはずです。

これが出来たら、同度で2回スタッカートを行ってから、3回目をロングトーンにします。
しかしスタッカートで上手く行くのですがロングトーンになると、途端に音程が不安定になるのが不思議です。

これについては、彼女の声を聴いて判断したのが、声の方向性が固定的ということです。
前にばかり意識しているために、詰まってしまうのではないでしょうか?
上昇するにつれ、声の向かう方向を脳天から後ろへと変化させることで、いわば息が流れやすくしてやる感じです。

結局、同じ状態のまま上がろうとしても無理があること、解ってもらえたでしょうか?
また、方向を変えるだけではなく、実際に口奥はより後ろに拡張するような感覚にしなければなりません。

これらの方向を変えて行く練習の最後に、オクターブの跳躍を練習しました。
4点C~5点Cにしても、やはりオクターブ上に跳躍する際は、少し後ろに持っていく意識が必要と思えないでしょうか?
後ろに持っていくことで、声帯が少し開いて、息が吐きやすい状態になるはずです。

従って、5度スケールになると、難易度が高くなります。
声の方向の移動に素早く対応しなければならないからです。

彼女の場合は、胸声成分が強いためか、この口を動かして喉奥を開けようとすることで、喉が安定する傾向があると思います。
口を良く縦に開けること、いわゆる喉を開けるということも、彼女の場合は換声をスムーズに行うために必要なこと、と考えてください。