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この数か月、定期的に通うようになって急速に発声を覚えてくれました。
レッスンで出来た発声の完全な再現性は未確定ですが、少し教えると直ぐに出来るまでのレベルになりました。

中学校の臨時教職で、合唱などの教材を教えるに足る音域が高すぎて歌えない、というのが彼女がレッスンに来るもっとも大きな理由になると思います。

コンコーネの5番を練習し、中学校の合唱教材の曲と、最後に山田耕筰の「赤とんぼ」を練習しました。
中学校の合唱教材は、高いといっても、最高音が5点Fです。

彼女の声は良い声ですが、中音域の出しやすい領域で、簡単に地声を出してしまうことが、高音発声を難しくする原因です。
この地声ですが、低音域の地声にくらべると、微妙に頭声が混ざっていますが、いわゆるしゃべり声の高めの感じくらいなので、声の換声が行われず、喉が締まってしまい、疲れて高音が出せなくなる、というパターンです。

前回のレッスンでもそうですが、今回は声のチェンジについて、突っ込んだ訓練になりました。
もっとも簡単な書き方でまとめると、低音域では地声にならないように高い場所で響きを意識して、喉が上がりだしたら
喉を上げないように、低い場所を意識すること。
そして、更に高音に向かう際に、喉を少し下げるような感じに意識することでしょう。

これらの歌い方の中で、ある程度彼女に向いている方法として、口を開けないで指をくわえて発声する方法と、上述の低音時の高い響きと高音じの喉の位置の意識を交互に切り換える意識です。

最後に「赤とんぼ」を練習しましたが、当初に比べて最高音の5点Fがスムーズに音程良く入れるようになったことと、低音の響きのピッチがとても良くなったことです。
結局、低音のピッチを高く取れたことが、換声点へのスムーズな移行を可能にしていると思います。