ISM

体験レッスンから来だして半年過ぎたところでしょうか。

コンスタントに声が出るようにまでなったと感じました。
当初は、本当に小さな声で、細くささやくような歌声の状態でした。
母音の練習としては、まずIを使うことで喉の安定と、響きの安定を目指しました。
その後は、ハミングも良くやります。

彼女の声の通り難い理由のひとつは、鼻腔の響きがほとんどないことです。
声量が出やすいのは、母音のIですが、それでもこもった響きになりやすいことです。
そのため、このハミングを練習することは、鼻腔を意識するためには有用な方法だと思います。

しかし、彼女の発声のレベルにおいては、一番足りないのは呼気圧だと思います。
息を使って息の量を多く出すという意味ではなく、息を使おうとする腹圧の力が弱いことが、声量が出ない大きな理由だと思われます。

このために、今日は息を吐く練習をしました。
昔は、初心者の方によくこの練習をしましたが、正直、効果のほどが測りかねるところがありました。
しかし、彼女の場合、これが非常に有効であることが解ります。
結局、息そのものよりも、息を吐こうとする際の腹圧を高める力が、喉の程よい締まり、閉じを促すのではないか?と思われました。
母音との相乗効果で、かなり効果が上がる方法だと思います。

コンコーネの8番と9番をやり、最後にOmbra mai fuを練習しました。
実際の歌では、地声と裏声を交互に行き来する練習が功を奏しました。
裏声にすることで、細い裏声ばかり使っていたところを、強制的に太い使い方にさせることで、喉にその感覚を覚えさせるような意味と思ってください。