発声に難がある場合、ハミングによる練習は効果的です。
一種の本番に対するシミュレーションのような役割でしょうか。
換声点の発声に課題を抱えている人の練習をしましたが、やはりハミングでやるほうが、余計な力みを加えにくいと思いました。
母音だと、それだけで癖が出やすいのです。
ハミングでピッチを正しく出すためには、換声点に近づくと、自然に喉奥を開けることや、軟口蓋を上げることを意識することで、喉を締めないで自然に音程のはまった声になるように調整するものではないでしょうか。
これが上手く行かないのは、つまり何もしないで音程感だけで無理に昇ろうとするからではないでしょうか？
これは、声を出そうとしている喉の感覚に変化を与えるための効果であって、あまり難しく考えないで、とにかく喉奥や軟口蓋を伸縮させようとするためには、嫌でも口の閉じ開けを行わないでしょうか？
これをシミュレーションするためにも、ハミングは良い練習方法です。
これを母音でやってしまうと、換声点前ですでに母音発声による不要な力みが出てしまうからです。
口を開けたハミングで口の開け閉じを柔軟に行いながら、この換声点の通過を練習して音程の合った歌声を開発して行きます。
声を出すと、特に音域が高くなると緊張が強くなるため、口が動かなくなります。
口奥の状態も大事ですが、まず動かせるかどうか？というレベルだけでも大きな成長になります。
これは、慣れるまでは、鏡を見ながら練習することが必須になると思います。
鏡を見ながら、ドミソ、そしてドレミファソ、最後にドミソドソミドを、最高音が換声点の直前の５点ｄくらいから始めて、最高音が５点Ｇまでで良いでしょう。
音程の良い声が出せるようになるまで、練習をします。
最後のドミソドソミドを２回繰り返して出来るようになったら、目的を達したといえるのではないでしょうか。
