2017年5月19日声楽レッスンノート

NA

低音発声を練習しました。
地声にならずに、3点bまで出せるので、後は響きをどれだけ出せるか?という点です。
単純に腹筋をしっかり使って、少しいきむようなお腹の使い方をすることが一つ。
もう一点は、ハミングで鼻腔共鳴のポイントをなるべくつかむこと。
この2点をちょっと練習したら、たちどころに出来るようになりました。

シャブリエのマリエットのクープレ。
女声の中高音の共鳴が美しく聞かせられる旋律です。
今でも充分に良い声で美しく歌えますが、よりノーブルにクラシカルな味わいを出すために、5点E前後の声の共鳴感を大切にしてもらいました。

フランス語の読みですが、文法をある程度やらないと発音に違いが出る場合があります。
Je sensと書けば、これは当然動詞だから、Sentirの一人称単数だから語尾のSは読まないわけです。
Sensだけで辞書を引くと、名詞を拾ってしまいます。
そうなると、語尾のSを読んでしまうわけです。

後は実際の曲の中ですが、中低音発声は、きれいな声をだそうという意識は捨てて、単に明るくはっきり当てて出すようにイメージしてもらうと良いようです。
今日は、ドビュッシーのビリティスの3つの唄から、1曲目「パンの笛」を練習しました。

一見、低音発声と朗誦風なフラットな旋律ばかりで、妙味がないように思いますが、判るとこれくらい面白く芸術性の高い歌曲作品はない、ということがわかるはずです。
恐らく、ドビュッシーの作品の中でも1~2を争う名作ではないでしょうか?
多幸感から不安、そして焦燥へ、と変化する少女の感情表現を、朗読でも歌でもないような朗唱風の旋律とピアノ伴奏で表現している世界は、朗読でもない歌でもない独特の世界だと思います。

譜読みですが、まずはリズムをしっかり把握しましょう。
4拍子で見るよりも、さらに細かく8分音符単位の8拍子で見ると、分かりやすいと思います。
ピアノ伴奏のリズムと、どこで合っているか?という点に注意してください。

フォーレの「月の光」
これは何となく悲し気なイメージがありますが、NAさんの場合はもっとハッピーな明るい唄である、というイメージにすると声が明るくなり、
この曲の印象が俄然変わります。
ちょっと説明が難しいですが、曲調に左右されない声は、より器楽的な要素を持つことが出来、結果的に音楽を良く表現出来る、ということでしょう。