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今日からマスクを着けてもらってのレッスンとなった。
やって見れば、聴いている分にはほとんど問題ないレベルであったが、本人は慣れないため苦しさはあったようである。
私もかつて練習で使ってみたことがあるが、声のことや呼吸の問題よりは、マスクが動くことが気になるくらいだった。

恐らくこのマスクが気になるのは、歌声の技術的な課題と関係するであろう。
口を開けた方が良い発声と開けなくてよい発声の違いが、体感として判っているレベルになれば、ほぼ着用の有無は関係ないと思われる。

自分の経験でもあるが、不自由で歌いにくいと感じる中から得られる発声のコツもある。
良くやるが、下あごを動かさない発声と頭声発声の関係など典型であろう。

曲はDon GiovanniのElviraのアリアNo3とNo8

いずれもAllegroのテンポで快活な曲である。
今回、レッスンで勉強したことは、3点。

1点目は跳躍度数が大きいフレーズの高音側で、アタックが遅れることやピッチが決まらない事。
2点目は、朗読とその声の調子の高さ。
3点目は、付点リズムの歌い方とそのためのリズム分析の方法。

1点目は高音側を息で押すというよりも、喉の一瞬の緊張が大事。
2点目は、声のトーンを極力高く保持すること。
3点目は理屈と実行の両方が大事であること。
理屈については、割り算、分数的な考え方が必要であること。
従って、絵にかいて理解することも大事。
と同時に、手で拍節を打ちながらリズムを歌うという、身体感覚の養成も必要。