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発声練習

全体に無理な強声を使わずに、頭声を上手にコントロールする発声が出来ている。
そのため、どちらかといえば弱声の使いかたが上手い歌声になっている。

中田喜直「霧と話した」

冒頭のメロディは、確かに楽譜通りのダイナミクスで歌っているのだが、ステージを考えるとやや弱すぎる。
つまり歌全体の表現(歌詞の内容を含め)が、前に出て来ない感じである。
単純に歌声のダイナミクスを出すだけでも良いと指摘した。
だが、最後の最後に想ったのは、歌詞を歌う歌い手の歌詞に対するスタンスみたいなもの、が薄いのではないか?
恐らくメロディの性格に寄り添ってしまい、歌詞を語る意志が弱くなってしまったのだと思われる。
この作品は、中間部の盛り上がりの歌唱表現は、自然に出来る性格が強いので、むしろ冒頭部分の歌の表現が要となるのではないか?

菅野祥子「春なのに」

ゆったりとした雰囲気の前半と、激しい慟哭を思わせるサビ部分の違い。
これはリズムになって顕れているが、その違いをより意識して歌うと良い。
前半の語りは、情緒的にならずに歌詞を明快に淡々と歌う方が良い。