AY

レッスンで指導した要点は3つあります。

1、ブレスに高い力みがあり、その緊張を解いて、ゆったりしたお腹のブレスをすること。
2、母音のAの発音の際に、下顎の力みが大きい。必要以上に発音を強調することが、発声に影響を及ぼしていること。
3、中低音域の、声の出始めの息漏れの解消。

発声をもっとゆったりと、リラックスした身体の状態で行うことを大切にして下さい。
以前よりは良くなりましたが、まだ上半身で構えている面があります。

発声というと、胸を開いて!腰に息を入れるように!横隔膜を拡げて!などなど、いろいろな身体の使い方の
表現が在ります。それぞれ意味のあることですが、その通りにやろうとするあまりに、身体を硬くさせてしまいますと
本来の目的から逸れてしまうことになります。

原点は、上半身の脱力です。
特に肩に力を入れないことが、喉のために大切です。

それから、母音の響きは特に中音域では、軟口蓋から上あごなど、上顎に響かせていることを保つように発声して下さい。
そのため、不用意に下顎を大きく降ろすと、響きが壊れてしまうということになります。

中低音域、2点Cくらいまでは、声の出始めで少し息漏れの傾向が感じられます。
無意識だと思いますが、Haという発声が身についていないでしょうか?
Hを付けない方が良いと思います。

ドイツレクイエムは音域が高く、完全にソプラノの曲ですが、5線から上の声域を綺麗な頭声で歌えています。
強いて言えば、顔の姿勢を見ていると、顔が前に出ている姿勢のために、下顎も前に出すように開ける癖が、しばしば見受けられます。
この理由が良く判りませんが、恐らくファルセット傾向の頭声を出し易くするためではないか?と思っています。

イメージになりますが、顔の位置を後ろにして、下顎の回転を自然に口を開けて歌えれば、もう少し声帯の綺麗に合わさった響きを出せるようになると思います。

SE

歌い急ぐ傾向があるので、必然的にブレスが高くなり易い。
また、声の支えが持ち切れていないので、一杯吸って一気に吐き出してしまう傾向もあります。
これを極力避けるために、ゆったりと発声練習をやります。
これは徐々に身について来ました。

今日やった新しいことは、喉を開ける、軟口蓋を高くして歌う、ということです。
あるいは、口奥を良く拡げて、その状態で母音発声して歌うこと、です。
これも、それなりに実行出来ますが、どうも舌根に力が入ってしまうようで、しばらくやっていると
疲れてしまうようでした。
これは慣れるしかありません。
舌に力を入れないように、また、無理の喉を下げようとしない方が良いと思います。
下顎は自然にだら~んと降ろすようにしておいて、軟口蓋を上げる意識をしっかり持って発声して下さい。

曲はSebben crudeleを練習しました。
大切にしたことは、発声です。
歌い易い甘いメロディーなので、何となく気分で伸び伸びと歌ってしまいますが、
今はそういう面よりも、発声を徹底して追求する姿勢で、端正に歌って下さい。
歌い始めの喉のポジション、そのためのブレスとあくびの状態。

歌い出してからのフレーズの歌い方。音程を追わないで、声の響きを滑らかに歌い紡ぐこと。
こう言った点を、つぶして行きました。

気持ち良く歌う、という、悪い意味での歌い急ぎを持たずに、ゆったり確実にという行為を通して、
それぞれの母音、歌詞を丁寧に楽器で扱うような器楽的な声の処理を、今は徹底してください。

TK

発声練習を見ていると、やはり喉が落ち切れてないように感じました。
いわゆる喉の脱力が、まだ本当の意味で出来ていないのではないか?と思うのです。
そのことが、中低音の声の響きの細さ、あるいは声がかすれてしまうことの、本当の原因ではないか?
と思われます。

ただ、2点Cから上の声は、喉を開けるということが判ってきたので、大分響きが太くなり
安定してきたことが、今の進歩の大きな原因でしょう。

根本はブレスだと思います。
それから、声の出し始めです。
2つは相補する関係なので、ブレスが自然にゆったりすれば、声の出し始めも自然に深いポイントで
合わさる感覚になるはずです。

俗に言う胸のブレス、という本当の意味は、気道を狭くして、気道で吸うブレス、と私は考えています。
気道を細くすると、息が胸に入る時の流速がついて、息が一瞬でたくさん入るような気がするのです。
これが喉を開けることとまったく逆の行為になるために、歌声の支えになりにくいと考えます。

ブレスの際に喉を開くことで、必要な吸気はまったく自然に入ります。
このことを会得出来れば、恐らく喉の完全な脱力が可能になるのだと思います。
以上書いたことは、今後の課題です。

課題とは別に、実際の歌は良く歌えていますが、まだ時として喉を安易に締めて出してしまう点が残ります。

Porgi amorは、良かったです。後半のテンポが早くなるところは、注意しないと締まる傾向ですが、
フレーズの流れがゆったりしているので、落ち着いて対処すれば問題ありません。

「ドン・ジョヴァンニ」は、今回は、やや雑に歌い終わってしまいました。
やはり、後半のメリスマで不用意に喉を締めて出してしまうためでしょう。
前回と同じく、口の開け方と喉の開きを注意して発声して下さい。

この辺りの高音は、youtubeなどでもプロの歌を聴けますので、聴いてみて、
高音発声の声がどのようなものか?と言うイメージだけでも作ると、また違って来ると思います。