KR

高音への換声点の発声が難しいので、いろいろやってみる。
一番のポイントは、ブレスの仕方と呼気の問題、つまり呼吸法であった。

声を出すときに、前腹部を固くし、そこに寄り掛かるように歌っていたため、息が持たない。
息が持たないから高音になるほど息が苦しい、という悪循環であった。

改めて呼吸法を一から教えた。
一番簡単なイメージ方は、お腹をへこますようにしてブレスをすること。
結果的に必要な呼吸筋が働く。
あとは、息を吐く練習。
音符のリズムに合わせて、囁き声を出す方法。

YR

KRさんで効果的だったので、彼女も息の吐き方を教えた。
軟口蓋に息を当てるように息を吐く練習。
このとき、感覚的には痰を吐くときの軟口蓋の緊張を感じられて、息を吐く音が高いトーンになれば正解。
大事なことは、息を吐き続けることが出来る腹筋の使い方が出来ていること。
コンコーネは35番を練習した。
イタリア歌曲から、「ガンジスに陽は昇る」「愛に満ちた乙女よ」を練習。
息を吐く意識だけで声量が倍加した。
また、副次的な効果として喉の締まり感がなくなった。

SKMM

発声練習は、やはりハミングの練習をすると地声度が減少しミックスしたピッチの良い声が出来る。
それでも、以前にくらべると声量が増しているのは、本人の意識によるものだろう。

今回のレッスンで、最も効果を感じたのが、曲を練習する中で息だけで歌詞を読む方法。
つまり、ささやき声で歌詞を音符のリズムに合わせて読む方法である。

息を吐くことと歌うことの両立が自然に体得できると思う。
モンテヴェルディのSi dole e il tormentoは、出だしの声が喉が高くない安定したうたこえになった。
これは息を吐く意識が功を奏したのだと思う。
Amor ch’attendiそしてCaro mio ben いずれもとても良く歌えていたので安心した。

SK

彼女の場合は、胸声と頭声の声区が分離した状態で中低音発声になることが課題であった。
つまり声が割れる現象である。
これの修正には、ハミングが最適。
そしてハミングから母音へという練習方法を取り入れることで、母音発声時における偏りが少なくなることで、換声点の段差が少ない歌声になる。
彼女も、息を吐く練習も同様に取り入れると、喉頭の動きの少ない発声になるだろう。
ドヴォルジャークの「ロマの歌」を全曲通した。
声区の分離もなく、フォームも良い安定した演奏が出来るようになった。

SKM

伴奏合わせ。
アーンの2曲は、静かでレガートな歌い方がとても良く出来ていた。
現状では、ほぼ言うべきことはなかった。
ただ、思ったように行かないからと言って、顔に出さないこと。

モーツアルトのケルビーノのアリアだけ、発声を気にし過ぎてリズム感が悪かった。
そこで、手拍子を取って歌ってもらった。
これが苦手なようなので、テンポで歩着ながら歌ってもらったところ、とても効果があった。
歌声に活力がみなぎっている。

EH

ハミングが発声上では効果がある。
口を閉じたハミングはピッチを高く声の響きを集めるのに役立つ。
これを確認してから、口を開けたハミング。
そして、ハミングから母音へという方法。
これでピッチの良い響きが集まった声になる。
あとは、ブレスの方法を教えた。
これが一番難しいので、気長に確実に覚えてほしいところである。
コンコーネ9番。9/8拍子は手で3拍を数えながら歌うと確実、ということを知っていた。
手拍子による練習は初心者の譜読みには必須であろう。
アーンは今日教えたブレスと高音近くなって喉を上げないことを重視。
フォーレのPie Jesuは、ブレスのタイミングを小節線内。
ハミングから母音唱法へという練習を経ると、ピッチの良い明るくすっきりした声になる。