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発声練習の声は、特に換声点から高音域にかけて、きれいな音程の良い声が発揮できていました。
無理なく響かせている感じなので、美しい声色でした。

これが実際の曲でも同じように発揮出来れば本物だと思います。

アリアを3曲持ってきました。
まずは蝶々夫人の「ある晴れた日に」
冒頭の美しいテーマのメロディは、極力歌詞でメロディラインがきれないようにレガートに歌ってほしい。
出来ればDolceに歌えれば理想的。
歌詞発音で切れないようにするには、下あごを余計に動かさないで、舌を上手く使うこと。

同様にワリ―の「さようなら故郷の家よ」でも、冒頭の同音のロ音が続くフレーズはピッチを高くして
ピアノ和音に埋もれないように、きれいに歌いこむことで後半の劇的な表現が活きてくる。
ややもすれば、この曲の劇的な表現にばかり目が向きがちだが、本当はノスタルジーを感じて静かに淡々と語る部分が活きてこその
ドラマなのであるから。

モーツアルトのドン・ジョヴァンニノドンナ・アンナのアリア「むごい女ですって」は、レチタティーヴォは相当劇的に表現する必要がある。
単に大きな声でということではなく、押し殺した感情の憎悪に発展した表情を以下に出すか?という点を良く考えて声と歌い方を研究してほしい。

反して後半のメリスマはむしろ軽やかに歌うことで、モーツアルトらしいドラマ表現が完成すると思われる。
頑張って張り上げて歌うと、音楽としてのモーツアルト固有の美的感性が減じてしまうと感じられるから。