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レッスンの間が1か月ほど開いたが、発声練習の声は5点bまで力みの無い綺麗な共鳴の感じられる歌声であった。
下降形の5度、そして上行形の3度5度のアルページュ、上行形5度のスケールで練習した。

曲はオペレッタ「メリー・ウィドウ」から「ヴィリアの歌」
全体にまったく問題なく美しく歌えているという第一印象。

惜しいのは、良く歌えているが、高音に跳躍するフレーズで微妙に喉で押す声が気になった。
高音の換声点声でそのままアペルトで歌って良いのだが、その分ピッチが微妙に♭になっていないだろうか?

その点を練習するために、ファルセットの練習をした。
彼女の場合は、ファルセットが苦手なのは下あごで踏ん張って声を出すため、口を大きく開けないことがまず第一。
そして声を前に出さないでストローで水を吸い込むイメージで声を出し始める方法を取った。
そのためには、唇を尖らせるようにするはずであるが、声を出すときに唇を前に突き出すのが苦手なのも、苦手の原因の人であろう。

そこで、口を開けるハミングで練習をしてみた。
つまりハミングでピッチを優先する出し方、響かせ方を探すわけである。
結果的に母音唱法になったときに、ピッチ優先の出し方によるハミングの練習後の声は、少し薄く奥まった響きになるだろう。
それで良いのである。この曲の場合は。

それは次のシャルパンティエのルイーズのアリア「その日から」でも、同じである。
これは弱声による高音の美しさが映えるアリアでもあるので、なおさらである。

口を開けたハミングで徹底してピッチの良い声の響きを出す感覚をに着ける練習は必要と感じた。