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発声練習

低音への換声の課題を練習。
下降形の練習がメインになるのは、高い換声している声を変えないで低音域に降りること。

もう一点は、完全に低音の声区に替えてから、ハミングによる練習に切り替える方法。
口を開けたハミングにしてピッチを正確に出すこと。

この低音区では、ピッチを正確に出そうとすることで、結果的に換声した響きに近づくからである。
ただ、彼女の声の個性はこの低音の換声(4点D~C)の換声が難しいこと。
つまり下の声区に完全に切り替える方が楽ということ。

ドン・ジョヴァンニのエルヴィーラのアリア3曲。3番、8番、11番。

伴奏合わせ。
上行形フレーズにおける換声点近辺の発声に課題。

3番と8番は、概ね良い出来であった。
気を付けてほしいのは、歌声を張り過ぎない事。
テンションの高い曲なので、余計に出しすぎて失敗するケースを気を付けてほしい。

難しかったのは11番。
もっとも練習したのが16分音符で動くメリスマ。
16分音符の速い動きは、Hを混ぜてハハハハとやる方が楽に音程と粒が表現できる。
そして換声点以降の高音の声は顔を上げないで、うなじに向けて歌う方が声もピッチもはまるはずであるが、これは相当な練習が必要。
今後の課題としたい

MMH

発声練習

中低音~中音域の声が良かった。
適度な倍音を伴っていて、柔らかい声質に良い輪郭が付いている感じ。
高音も5点A♭は共鳴を伴って良い声だった。
5点Aで喉が上がるので、この点が今後の課題であろう。

ドニゼッティの「舟人」

全体に音程感は良くなった。
伴奏とのテンポ感のすり合わせを中心に、ブレスポイントなど再点検。
特に大事だと思うのは、冒頭の6拍子の2つ振りのテンポ感。
ここを気持ちよく歌えれば、ほぼ成功である。

モーツアルト ドン・ジョヴァンニから「ぶってよマゼット」

前半のAndanteは、速すぎないように優雅に白々しいくらいに優しさを表現することを大切に。
後半のAllegroは良かった。
特に声の課題は感じなかった。

ドビュッシー「月の光」

一応まとまった演奏になっているが、ブレスが厳しいとのことで、その点を練習。
発声というよりも、歌い方の問題が大きい。
8分音符が並ぶフレーズをどう歌い進むか?という点と、短いブレスの次のフレーズ入りで息を吐き過ぎずに歌い出せるかどうか?
そして長い音符を息を我慢して声を延ばせるかどうか?
という点が課題になった。
つまりピアノ伴奏のリズムに乗っかり過ぎない事。
自分の語り口で歩み進む力を以て歌うことが大事である。