SKMM

発声練習では、声が良く出るが中低音は気を付けないとまだ地声の癖が頭をもたげている。
声量は必要だが、喉の使い方は覚えないと綺麗な良いピッチの歌声にならない。
今回も、練習方法としては口を開けたハミングと、ハミングから一気に母音に替える練習である。
これは彼女のような中低音の地声が強い声を矯正するのにうってつけである。

ハミングのピッチはとても良いのであるが、母音の特にAになると、固有の癖が出る点を自覚できれば、
多分この癖は消えるだろうと思われる。

曲は発表会のプログラム。
Tu ch’ai le penne,AmorとStar vicinoは、クラシカルなルネサンス後期~バロックの作品であり、
声楽的な歌声が望ましい。
いろいろ練習していく中で彼女が見つけた「喉への意識だけで歌う」と言って、遊ぶように出してくれた声がピッタリであった。
彼女にとっては無機的に声に集中することが、声楽的な音楽美につながるという点は、お互いに発見であったと言えるだろう。
彼女の歌心の持ち味は資質があるのだが、歌声を扱うスキルが、クラシカルな声楽的な歌声から遠い、語り口に近いものがあることが、
彼女固有の地声傾向の中音域の声になるのだと思う。

その意味で次のベッリーニの「優雅な月」は、必ずしも現実には声だけを追わなくても良い演奏につながる要素を持った歌であると思う。
もちろん声楽的な美声で歌えば素晴らしいが、美声だけが良い演奏につながるわけではなく、メロディをどう歌えるか?という資質は
大事にすべきである。
高音E母音は、現状ではミックスボイスを意識すべきである。