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前回のレッスンで、はっきりと声量を出して歌うことに撤した練習の成果があり、今回は発声練習から明解な声出しとなっていた。
以前の状態では、単に声を出そうとすると、高音への換声点通過がうまく出来ずに喉を上げてしまい、裏声になるか喉を傷める発声になっていた。
が、ここまでの経験の蓄積で、この問題は解決したといって良いと思う。

ただ、微妙に声が奥に入りやすい傾向は残るが、これも以前より改善されている。
なるべく5点Aまでは、単純に声を前に吐き出すようにして、下あごも良く降ろして直截に歌うことを先ず覚えてほしい。

アリアでは、モーツアルト「ドン・ジョヴァンニ」のドラヴェーラのアリア3番と8番を練習した。
やはり曲調を表現するためには、歌詞の朗読が必須だと感じた。
特に音楽のリズムを付けて朗読すると、そのことが良く判ってもらえると思う。

声をはきはきと出すという行為は、このようにリズム感とか音楽が内包する表現によってであって、楽譜にダイナミクス記号が書いてあるからやる、というのとは違うのである。