FT

一応3曲を通してみた。
今回は、喉が温まっていなかったので、後半に発声に少し無理があったが、何とかなる範疇なので、心配はしていない。
高音を歌うということは、とても難しいので、これからも身体で覚えて行ってほしい。
それは、良い発声で歌うというだけではなく、上手く行かない時にどう対処するか?
というリスクマネージメントみたいな、瞬時の判断と行動といえるだろう。

声の配分や響かせ方、ブレスの取り方、身体の状態に対する常なる気配りなどなど。
そういうものは一朝一夕で行かないので、今回の本番ではどうか?歌い終わっても忘れずに次回にも繋げるように、冷静に対処してもらいたいと思う。
失敗は成功の元。失敗を恐れずに、思い切って歌うことが一番の上達につながるコツである。

TK

最後の伴奏合わせだが、今日も声は問題なし。
強いて言えば、もう少し下顎を楽に自由に降ろせると、響きに膨らみが出るのだが。
これは長い目で見て少しずつ根気良く教えていきたい。

それでも、良い鼻腔の響きがあるので、音楽的にはボーイソプラノみたいな、とても純粋な音楽的な表現が出来るところが、彼女の良さである。
くれぐれも落ち着いて歌いだすことで、本来の彼女の持つ良さ、練習で出来た音楽を、発表会でも実現して欲しい。

ピアノ伴奏は、特に1曲目のメロディの弾き方には充分こだわってもらいたい。
また、2曲目も歌と絡みある対旋律を良く浮き立たせること、流れが死んでしまわないように、活気ある演奏を期待している。

SM

最初は3曲通したが、デュパルクのChanson tristeが、ブレスのせいなのか、フレーズが短く
音楽がどうも中途半端になってしまった。
ピアノのアルペジョの弾き方、音楽のうねりなども教えて、やり直したらとても良くなった。
身仕舞いを良くする、という言葉があるが、きちっとフレーズして、丁寧に声を扱うことをくれぐれも忘れないで頂きたい。。

ドビュッシーNuit d’etoileも同じく。
一般的な演奏からすると、遅いテンポだが、彼女の声にはぴったりなのである。
2曲とも、やや我慢がいるかもしれないが、ホールでは必ず通ると思って良い。

エロディアードは基本的にもう問題はない。
ちょっとした伴奏の外しや、流れなど注意に留まった。

声量も自然に出ているし、高音も丁寧に扱えばとても綺麗に出せている。
安心して落ち着いて歌ってもらいたい。

WH

最初に3曲通してみたが、ドナウディはいつになく声が軽く、そのためフレーズが少しばかり尻すぼみになってしまった。
ドニゼッティは、懸案の音程はまったく問題なかったが、カデンツは声が細く、やや迫力不足だった。
ドレッタのアリアが一番良かった。最初のメッザヴォーチェも綺麗だし、その後のPPなどの表現も彼女のキャリアからすると、驚くほどである。
ただ、最後の高音がやはり迫力が今ひとつだった。

共通して言えることは、イメージだけで声を作らないで、基本的にしっかりした声を出すことを忘れないことだと思う。
ドニゼッティは、もう絶対大丈夫なので、失敗を考えないで思い切って歌って欲しい。
たとえ間違えても、何とかなるので気にしないのが一番。
思い切って歌って欲しい!

TT

今日はルクレツィア・ボルジアの始まりが少し声が軽すぎてどうなるか?と思ったが自然に対処して、持ち直していた。
これが大きい。
恐らくそういう部分も、成長した証拠だと思う。
慌てないで少しずつ持ち直す、ということは充分出来ることなのである。
声が思ったように行かないから、といって慌てるから調子がますます崩れるから、くれぐれも慌てないで落ち着いて対処して欲しい。
モーツアルトを歌う頃にはもうすっかり元に戻って、出だしから抜群の声で、高音もいつになくしっかりと良い響きが出ていた。

まったく心配はないので、この2曲のために今まで積み上げて来たたことを信頼してリラックスして本番に臨んで欲しい。
私自身も安心している。
ピアノは特にモーツアルトはアレグロからの勢い、流れを大切に集中して欲しい。