OM

コンコーネ15番の13番から始めました。
声の調子は良く、彼女の声としてはとても綺麗に歌えていますが、楽譜に書いてあることが表現出来ていない、と感じました。
この作品は快活さとか、明るさ、跳ねるようなしっかりしたリズム感のメリハリが感じられると思います。
練習するときに、そういう要素を自然に感じて、先ずはその感じ取ったことを理屈抜きで直截に表現してみることから始めてください。

まず表現しようとする意志を見せてほしいのです。
あるいは、表現意欲を先に作る癖を持ってほしい。
そして出て来た歌声の中から、発声として間違ったことは直して行く、というようにレッスンして行くべきと考えています。
楽器でもなんでもそうですが、どんなに技術が優れていても、表現意欲やその方法のモチヴェーションがない所に、技術は活きないのです。

まずは楽譜に書いてある表現の方向性を見定めて、出来る限りそのことを出して見ることです。

たとえば、それは次のフランス歌曲でも同じことです。
それは、フランス語と云う言葉が、音楽と共に何を表しているのでしょうか?
そういうことを、音楽から感じ取って、それも素直に感じ取ったままを強くはっきり出すことがまず大事なことなのです。

フォーレのNotre amour
これも、歌うことにおいては、最低限の要素を満たすまでになったと思います。
声もそこそこ出ていますし、高音も綺麗に出ています。

この曲は、前半の語り部分に関しては、ひたすらフランス語の朗読の練習をすることで、伸びると思います。
それは、声の使い方、発声も含めて、フランス語の朗誦の練習が必須だと思います。
フランス語の読みをやってみましたが、まだまだ棒読み状態で、朗読をすることが叶わない状態です。
声の調子を高く、そしてメリハリをしっかりつけて、速いテンポでスラスラと読めるレベルになるまで練習してください。
そして歌う時には、指をくわえて練習してください。
そのことによって、下顎の動きをなくして軟口蓋だけで発音発声出来るようになってください。
そうでないと、素早い語り口が出せないのです。

最後の2点Gと2点hは、綺麗に出ています。
無理する必要はありませんが、重心が上がって、音程を上ずらせないようにだけ注意してください。

ラクメのアリア。
この曲は、前述の2曲と違って、素直な表現意図、意欲が、歌声に良く出ています。
特に、出だしの1ページの民謡風のメロディ部分は、ブレスが良く伸びてとても綺麗に歌えていて感心しました。
その後も良い歌いこみだと思いました。

ただ、まだ高音域~最高音域において、喉で力んでいる部分がいくつかあります。
さすがにこれだけの高音域は、表現意図だけあっても、どうにもならないでしょう。
ただ、意欲が高いので歌えているというレベルです。

今後は、この発声を矯正することにトライして行きましょう。

一番大事なことが、ブレスと声の関係です。

ブレスして、歌う時に息が自然に吐けている感覚、あるいは歌声と共に、上へ向かって昇るイメージが必要ですが、この点が、一番欠けているように思います。
要するに、喉で詰めてしまうからでしょう。

この発声の基本を変えるのが、ブレスの方法です。
下腹部を適度に締めて、高くブレスを入れて下さい。
胸が開くように側腹から腰も膨らますようにです。

そして身体全体の重心が安定しないので、片足立ちでやってみると、大変重心が良く落ちます。
これを、練習で会得しておいてください。

中低音、5線の中は、ハミングで発声練習をして、このブレスと声の関係を確立しておいてください。
そして、高音は、スタッカートだけ練習しておいてください。
上顎は持ちあげるように、その上で喉は上がり過ぎないようなバランスを作るためには、下顎を引くようにしておくとよいでしょう。
あるいは、高音になるほど、喉の下の鎖骨のくぼみを意識して、適度に当てて練習して見る方法もありますが、やり過ぎないように気を付けて下さい。