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発声はハミングで始めてから、母音は口をほとんど開けないくらいわずかな隙間でという具合に練習。
それと、お腹を使うこと。
特に腰を張り出すようにブレスして、そのままそれを支えて発声することを特に注意。

彼女は歌う際に舌根の押し下げの力と、下あごを下に踏ん張る力が強く、これが胸声傾向の声に拍車をかけて
声は大きいのだが、音程が太くなってしまう点が課題である。
また、声がチェンジしにくいか、出来ても段差が付いてしまう点も課題であろう。

下あごを極力使わない発声を覚えてもらうために、強制的に下あごを使わないで、発声を練習することにした。

曲はシューマンの「女の愛と生涯」1~4曲目を練習した。
一度本番に出したので、譜読み面は問題ない。
修飾音符の歌い回しくらいだったろうか。

もっとも練習したのがドイツ語歌詞の朗読である。
それも、トツトツとではなく、滑らかにスラスラと、フレーズを一気に読み下せるレベルまで練習である。
また、読むときはもそもそ低い声で読んでは効果がない。
なるべく高いトーンで、はっきりと明快に大きな声で読むことである。

これらのことが、完璧とは言わずとも、正確に間違いなく出来るようになれば、歌うのは簡単である。
発声的にも、歌い回しとしても、上記の練習だけでほとんどのことが賄われると言っても過言ではない。
それくらい、大切な練習である。
防音の部屋がなくても出来る練習方法なので、ぜひとも練習を積んでいただきたい。