EM

シューマンの「詩人の恋」4曲をまず復習し、次に新しい次の2曲を練習しました。
譜読みは基本的に良く出来ています。
時折、前回指示したUがウムラウトになる癖や、Chenがシェンと聞こえてしまうことなど、癖や
ちょっとした勘違いも発音に散見されますので、ご注意を。

今日のトピックは発声です。
特に発声練習の始まりで、彼の悪い傾向である、細かいビブラートが出ていました。
お腹をかなり絞り上げるように発声する傾向や、胸から喉にかけての強い緊張が感じられます。

そして、結果的にそれらの強い緊張というか、力みが、中低音発声に大きく影響を与えていると思います。

胸に声を当てるように出す、という意味は、文字通り胸声という意味もあるにはありますが、
そのこと以上に、喉や周辺の筋肉を良い意味でリラックスした状態で発声させる大きな効果があります。

まず声を出す、という原型として、このリラックス、脱力、という原点を大事にしてください。
お腹は使うでしょう。お腹を使わないと、本当のリラックスにはならないと思いますので。

これらの発声上の喉や身体のリラックスは、当然声の出し始めに一番大きな影響があります。
常に、声の出し始め、また歌の途中ではブレス時に、この点を意識して見て下さい。

あとは、抑揚を付けるPやPPの表現ですが、喉を高くするのではなく、口先で歌う感じが近いと思います。
すなわち、ささやき声から歌声に変換するとどうなるか?を練習して見て下さい。

KR,TM

「3尺、4尺」を練習しました。
暗譜もほぼ出来、動きもきっちり付けてきてくれたので、非常に楽なレッスンでした。
彼らが付けてくれた動きを基に、少し変化を持たせた程度です。

フィガロさん登場は、前奏途中。
登場は、物差しで壁上を計りながら登場。
測る振りは、床よりも壁の上を計るようにしました。

スザンナさん、次の間奏のきっかけで登場、上手にある鏡を見て、髪飾りを直すか付けるか。

基本は、椅子をセンターにして、スザンナが座る、その周りでフィガロが歌う。

最後は抱き合う、という流れです。

二人とも声も良く出ていて、ステージ慣れしていると思います。
フィガロさんは良く声が張れているので、曲中、ニュアンスを付けると良いところを、
もう少し工夫されてみてください。
声ももっと楽になると思います。

最後に1回だけKRさんの「テュレの王と宝石の歌」通しました。
素早いレシタティーヴォ風の箇所は、もっと素早く喋れるように練習して下さい。
声を少し張る所は、張り過ぎないで綺麗に歌いましょう。

宝石の歌は、入りのAhと歌う声は、低めですが明るい声を意識して出して下さい。
また、アリアに入ってからも、明るい声とテンションを意識されて下さい。

GH.HA.SA

モーツアルトの「フィガロの結婚」三重唱「スザンナ出ておいで!」

日本語歌詞によるオペラ重唱の抜粋だが、モーツアルトの音楽がいかに繊細に出来ているか?
良く判る作品だと思います。

内容が、やや劇的な場面ではあるので、声を張り上げる傾向はありますが、特に3者が重唱になる
部分は、声を張り上げないで、言葉を大切にすることが、要になります。

実際、楽譜を見るとFとPが交錯していますが、Fはあまり出さないくらいの方が、言葉が判ります。
今回、特に日本語でやりたかったのは、この作品の喜劇性が、歌詞が良く判ることで明快になるからです。

また、声を張り過ぎない方がハモりには有効です。
モーツアルトの綺麗な3度や6度のハモりを綺麗に出したいところです。
そして、一石二鳥ですが、声を貼り過ぎない方が、言葉が良く聞こえてくるものなのです。
声の扱いには、充分気を付けてください。

動きはざっと大まかに付けた程度です。
ピアノを中心として、下手に伯爵、そして夫人、上手にスザンナ。
ピアノの下にケルビーノが隠れています。

スザンナさんは動きがあまりないですが、二人の掛け合いに常に意識を傾けている風を出すことと、
当然、それにリアクションした自分の歌になることをくれぐれも忘れないでください。

アクションは意味がありますので、何となく動かないで劇の内容と歌詞を良く把握して、自分の動きを
決めて下さい。
前を向くことは大切ですが、前ばかりと言うのは不自然なので、基本は、相手の歌を聴くことと、自分が
歌う時に、前を向くか、相手を見て歌うか?明快にしてください。
ただし、ぐらぐらしないことです。