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ドビュッシー「抒情的散文」から「花」と「夕暮れ」2曲でした。

声は、今日は喉が温まっていない始まりでしたが、すぐに改善されました。
以前に比べると、戻りが速いように思いました。

レッスンの全体的な印象は、声のことに及ばずに音楽作りに終始した、と記憶しています。

「花」は、詩を読めばわかりますが、全体的に見ると悲しみ、怒り、絶望というようなキーワードでくくれるでしょう。
冒頭のメロディは、悲嘆にくれる者が語る独白の始まりですから、明るく元気よくということはないわけで、その分を勘案すれば必然的にゆっくりになるでしょう。

音楽のテンポを決める際に、単に表示されている表示記号や、メトロノームの数字を見るだけではなく、歌詞の内容をよく吟味すると、表示されている記号や数字に、論理的な整合性を感じられると思います。
そうなって、初めて音楽の骨格になるリズムというものが、真から理解できるのではないでしょうか。

また、声の扱いも同じでしょう。
この曲の冒頭であれば、気持ちに余裕があるビブラート的表現よりも、♭気味であったとしても、ノンビブラート系の声になると表現に合っている気がしました。

このような表現で始めるということは、それだけブレスに注意を払う必要が出てくるわけです。
また、声も無駄な息を使わずに、そっと起伏のない使い方をする歌い方になると思います。

このように、詩を読んで内容を理解し、その場面を想像していくことと、譜面に書いてある作者の音楽上の表情の指示や、リズムなどの指示を理解しながら音楽の構成を考えて行ってください。
必然的に、徐々に速くなるテンポが表現しようとすることが、音楽からも理解できると思うのです。
同様に徐々にゆっくりになるテンポの意味もわかるでしょう。

中間部の最速のテンポ、最強のダイナミックで歌われる箇所の歌は、歌いすぎるとかえってテンポが重くなります。
音程と響きを犠牲にしない範囲で、子音発音をしっかりさせて、単語をリズムに乗せて投げるように歌ってください。

最後のページEt mes mains sont lasses de prierから最期まで、3連符の扱いを中心、リズムを正確に歌ってください。
正確に歌うことで、この最後の部分の悲嘆にくれる表現が良く表れるからです。

「夕べ」の伴奏は汽車の走る力強さやリズム感を出していますので、2拍子を大切に軽快に演奏してください。
歌は、そのリズムに乗って軽快に歌ってください。
この曲は、ほとんどこの軽快さの中で表現されるべきでしょう。
ただ、最後のPrenez pitie des coeursから最後までは、とても印象的なので、ゆっくりと落ち着いて歌い終わってください。