2017年5月14日声楽レッスンノート

ASY

フォーレ「イヴの唄」
声を前に響かせるポイント見つかったようで、明るい響きで安定した歌唱になりました。

これから気を付けてほしいのは、狭い母音で、響きに意識が行き過ぎると開口母音との区別がつかなくなり、フランス語らしさがなくなることです。
狭い母音は、口先をなるべく開けないで、前に出し過ぎないように気を付けてください。
明るい母音と暗い母音の違いが明快になると、音楽的にもニュアンスが感じられるのがフランス語歌唱の特徴になります。

発声としては、5点Dくらいから声が細くなってくる時点で、喉を上げないようにブレスと姿勢に注意してください。

FT

トスカから「妙なる調和」
高音発声に大切な、換声点の鼻腔発声を中心にしました。
まだこの発声が会得出来ず苦労していますが、以前に比べると高音発声による喉の疲れが軽減されているため、なんとかこのテノールらしいアリアを失敗せずに、何度か連続して歌えるようになりました。
顎下のおとがい、というところを下に踏んばって出そうとすると、高音発声が太くなって、鼻腔発声が出来にくくなるのです。

しかし、高音発声は喉が上がるから上がらないようにするために、おとがいで踏ん張るのだと思います。
これを、おとがいではなく、顎をしっかり引いて、首ので頭が前に出ないようにしっかり支えられる肉体になると、喉が上がらなくなります。
もちろん、ブレスで腹筋を支えられていることと対になります。

TSS

コンコーネOP15の6は、表現という観点から楽譜の読み込みを更に細かく見て行きました。
端的に言えば、リズム感でしょう。
単調で始まるメロディは、付点のリズムに象徴される悲劇的な雰囲気と静けさの両面です。

そして音符上に書いてある、マルカートとスラーの違い、力強さと滑らかさの違いを、歌で良く表現すること。
6連符など、細かいメリスマは、無理やり拍に閉じ込めようとするあまり、滑って音程感が判らなくなりますから、まずは粒立ちを良く丁寧に歌ってください。
多少テンポに乗り遅れても良いのです。

「連隊の娘」から「さようなら」は、バランスの良い歌声で、大変きれいに歌えていると思いました。

最後にラクメのアリア。
冒頭のボカリーズの部分を良く練習しました。
喉が高すぎると、支えのない発声になる点に、注意を。これは曲全体にわたります。

最高音6点Esの声を出すためには、重心を下げ過ぎると難しい点は、区別することしかありません。
この最高音の発声で、すべての発声を規定してしまうと、今度は高音発声で喉を上げてしまう悪い発声になってしまうからです。