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発声は高音発声、特に1点Cから上になって来たら、逆に口を開け過ぎないことによって、響きを鼻腔に集めるようにすることを練習してみました。
いわゆるChiusoな発声ですが、力むせいもあり、まだ喉が詰まった感じがするでしょう。
それでも音程の出る高音の声になるので、頭声の要素が加味されて来ると思います。
慣れるまで続けてみてください。

ベッリーニのVaga lunaを練習しました。
以前もそうでしたが、高音発声した後、喉が緊張しやすいようです。
喉の高い発声になりましたので、楽に喉が下りた胸に響く声を意識してもらいました。
分厚い響き、男らしい声、自然な意味でそんな声をイメージして出すように心がけてください。
音程が、とか、綺麗に、とかいうことは勿論あるのですが、素朴なレベルで男らしさ、というイメージは
大切に持ってほしい声ですから。

最後にTu lo saiを練習しました。
今日はちょっと難しかったようですが、一言でいえばChiusoに発声することによって、喉が上がらない。
しかし声は細く出しましょう、ということです。
細く出すためには、息の出具合に力みがあっては出来ないでしょう。

そのためには、もっと狭い場所に声を集める意識を徹底して下さい。
無意識レベルで、まだまだ大きな声を出そうとするために、コントロールが効かなくなるのです。
例えば、息をぐっと止めた状態で出してみる訳です。
そうすると、どのような声になるでしょうか?

Tu lo saiと最初の声を出してから次の子音そして母音を発音する際にもっとも注意することは、
前に出した響きの質を絶対に変えないように、発音することです。
そのための、口の開け具合であり唇の使い具合であり、舌の置き所である、ということです。
相当微妙なことなので、大ざっぱに扱わないようにくれぐれも注意してみることです。

SA

発声練習は軽く終えて、サティの3つの歌曲1886年を3曲、順番に練習しました。
3曲とも同じですが、もう少し身につけて欲しいと思うことは、発音に関して、
唇を尖らすように母音を発音出来ること、です。
特に音域が高くなると、口を横に引く癖がついています。
確かに口を横に引く方が、声帯が薄くなって高音が出しやすい傾向がありますが、
その分、細く締まった響きになり易く、中低音との声の整合性が悪くなります。

声のことはこの点に尽きます。全体的には発声練習も含めてですが、声の響きが
集まるようになった、と思います。
特に前回練習したあくびの状態で出す方法が、功を奏して、Aの母音であっても、
出しにくい中低音が上手く響くようになりました。

それだけに、であるがゆえに、2点F~上の高音を、もう少し太く落ち着いた声で
発声できるようになってほしいところです。

後は、歌い難い音程ですが、原因がソルフェージュ的な問題ではなく、どうやら
発声的なことではないでしょうか。
特に1オクターブ下降する場合、低音側で響きを落としてしまうと、音程自体が♭に
なってしまうからです。

歌声の響きは、極言すれば同じ出し方、同じ響き方、を前提にして正しい音程が担保されますから、
まずは響きを大切にすることです。
その意味で、譜読みの段階から、きちっとした発声で音取りをしなければならない、ということになるわけです。
特に難しい音程ほど、この原則を大切にされてください。