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発声練習。

声のキャラクターとしての良さが出せるようになった。
バリトン系の声としては2点G~4点Aまで、ほぼ問題ない。
特に中音域で倍音が出せるように口の開け具合を調節で来ている点と、アクート領域も上手くかぶせて悪いアペルトにならずに出せている点が評価ポイント。

フォーレの「月の光」歌詞を歌うと発声練習できっちり出来ている声が崩れやすい、難しさがある。

A母音歌詞を発音する中におけるA母音の処理と語尾のEあいまい母音である。
後者はもう少し狭く、前者は明るくである。
明るくするために、顔を上げると喉がまだ上がりやすいので、顔を動かして対処しない方が良いだろう。

同じく「夜想曲」キーを上げているが、基本的にテノール的に出す必要はない。

というかテノールだからこういう声、バリトンだからこういう声ということではなく、ノーブルな声であることが大事。
それは音楽とフランス語が導き出してくれるはずだ。
その点だけ抑えておけば、ほとんど問題なく歌えている。

畑中良輔「花林」微妙に民謡風なメロディを美しい古典的な歌曲に仕立て上げた名作だと思う。

次の中田喜直の「ほしとたんぽぽ」と共に、発声方法を変える意識ではなく、歌詞の持つ味わいを良く感じて自分の詩の世界のイメージを確立することで、自ずと相応しい歌声になると思う。
不要に軽くするとか浅くするとか、喉を高くとかではなく、フォーレと同じ声でも歌詞を扱う感性とその音楽性によって、歌声は相応しい声になるはずである。