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体験後の初レッスンでした。
曲はフォーレの「月の光」からでした。

体験で、フランス語の発音に課題を感じましたが、今回は発音そのものもさることながら、
歌詞を歌う、という部分、いわば語感のようなもの、の訓練の必要性を強く感じました。
単に発音が正しいとか正しくないとかという以前に、言葉が活き活きと歌われることは、クラシックであろうとも
大切なことと思います。

理屈抜きで、まずフランス語歌詞の読みを積み重ねることがとても大切な作業となるでしょう。
もし歌う練習が3としたら、7くらいを歌詞の読みに割いてください。
訳が判らなくても、とにかく読むことです。
読んで行くうちに、フランス語の響きや語られ方を思い出すでしょうし、また今時は動画サイトや、ネットラジオでも、
いくらでもフランス人の読むフランス語が聞けると思います。
真似して読んでください。

今回教えたことは、鼻母音を大切に読むこと、狭母音のOやUを狭母音らしく読むこと。
そして、もっとも大切なことは、発声に関わりますが、Aの母音の発声法です。

顎を柔軟に使うようにすることと、軟口蓋を良く上げることが出来るように、
下顎を引くように使うことです。
平たく云えば、口を開ける時に頬を上げると、口の形が逆三角形になるような感じです。

この発声は微妙に声帯が開く傾向の声ですが、息が楽に吐けて、声帯に負担のない発声になります。
特に中低音の音域で、軟らかい発声が特徴のある音色になるのと、フランス語の語感を出すにはピッタリの発声だと思います。
特にWaというフランス語固有の母音発音は、とても自然な語感が出ます。

それから、この発音・発声と関係なくても、中低音発声はもう少しピッチを高く意識して下さい。
このことも、声帯の強い響きの使い方と関係があります。
強く合わせよう、という意識が強いほど、どうしてもピッチが低目になります。
ピッチの低目、といっても微妙で、表現といっても良いです。
明快さとか、理性とか、品格とか、というような観点から見て、ピッチの高さを発声で意識出来ることはとても重要です。

二曲目は、同じくフォーレのマンドリンをやりました。
これも同じく語感ですが、むしろ歌い過ぎないで、声を楽に歌える程度の声量にすることと、あまりレガートを意識しないで
♪の形を立てるように、ある意味、これも器楽的な演奏と言えるでしょう。
いわゆる、オペラ的な表現とはまったく違う歌の表現と思ってちょうど良いと思います。

最後に、アリアを聞かせてもらいました。
ラクメとオランピアでした。後者が彼女の持ち味が自然に表現出来ていました。
ラクメは、非常にキャラクターの立った表現が必要なアリアです。
前半の歌詞で歌う部分は、役柄の強さが発音に顕れますから、むしろ語り口を大切に。
後半のメリスマで、コロラチューラらしさが表現されますが、柔らかさ~野性的な強さまで、
幅広く声の表現を考える必要性があるでしょう。

IS

伴奏合わせのレッスンになりました。
発声練習をしましたが、今日は声の温まりがあまり良くないようでした。
最初はかすれ気味でしたが、母音をIにして、ようやく声帯が合うようになりました。

そして、実際の歌でも、この合わせようと云う意識がやや強い感じがしました。
あるいは、どうも普段のレッスンで傍に立って観察しなかったせいもあるでしょうか。
予想外に顎を引いた姿勢で歌っていますが、軟口蓋を上げる発声が未確定のように感じました。
口を縦に開けると、良くなるのですが、それもまだ確実にならないです。

顎を引いて口を開けないで歌うため、確かに良く喉の合った声になりますが、やや偏っている面を感じます。
もう少し口奥の空間を感じることで、軟口蓋の上がった状態出の発声が出来るようになると思います。
そうなることで、鼻腔共鳴も発達して、低音の声ももっと楽に通る声になるでしょうし、
また2点Gから上の声ももっと楽になると思います。

伴奏合わせでは、モーツアルトのBatti battiでは、後半のAllegroを適切な速度に調整しました。
また、前半はなるべくペダルではない、乾いた音色で強弱を良く付けて、キャラクターを出してもらいました。
歌は、特に前半部分は、充分にレガートでとろ~りとした感じで歌って下さい。
急がないこと、です。そのように歌うことで、ツェルリーナの女性的なしたたかさが良く出るでしょう。

そして後半で感情をあらわにすれば、対比的で良い感じになります。
この面は、良く研究してイメージしておいてください。

Il bacioは、声を丁寧に、張り上げないで歌えた点は評価します。
あとは、どうして張り上げないのか?どうしてPやPPと指示しているのか?
もう一度歌詞とイタリア語を照らし合わせて、歌詞の意味を良く考えて歌うようにしてください。
Sulle labbraとは、どういう意味でしょう?この言葉を、このようなリズムでこのような旋律で歌うという意味は、
歌手のどういう感情を呼び覚ますのだろうか?と考えてみてください。
この歌を歌う感情をイメージしておいてください。